黒潮が沖を流れる室戸岬では、秋分の日頃〜春分の日頃にかけ、寒気が入り込んだ日に、温かな海水面の温度と、冷たい大気の温度差で光が屈折して太陽がだるまのように見える現象が起こります。しかも室戸岬は日の出、日の入りの両方を見ることができる地形のため、「だるま朝日」、「だるま夕日」が期待できるのです。
室戸岬は朝日、夕日が期待できる貴重な場所
温暖なイメージのある高知県ですが、実は東の室戸岬、西の足摺岬では気候が大違いで足摺岬は、1月の平均気温が、最低が5度、最高が12度、2月は最低が5度、最高が13度で、かなり温暖、避寒に最適ですが、室戸岬は1月の平均気温は、最低が3度、最高が9度、2月は最低が3度、最高が10度で、実は大阪・神戸とあまり変わらないのです。
逆にこの冷たい気候と、温かい海面という温度差が光の屈折を生み、「だるま朝日」、「だるま夕日」の期待が大きくなるということに。
黒潮が接近して流れる場合、離れて流れる場合で、海水温も変化しますが、温暖化の影響で海水温が高ければ、大陸からの寒気が入り込んだ際には、「だるま朝日」、「だるま夕日」の確立もアップします。
室戸市によれば、室戸崎では9月下旬〜3月中旬に「だるま朝日」、「だるま夕日」が期待できるとのこと。
とくに10月下旬〜2月中旬には確立もアップするので、11月〜1月はベストシーズンということになります。
「1日の始まりと終わりを、水平線に感じる」という室戸岬に宿を取って、「だるま朝日」、「だるま夕日」にチャレンジを。
実際に存在する風景(太陽)が形を変えて不思議な形(だるま型)に見えるという現象は、蜃気楼の一種で、下位蜃気楼と呼ばれています(「下暖上冷」の温度構造で、光が下方に屈折する)。
十分に冷やされた空気の下層が海面により暖められることで密度差が大きくなり、下側に朝陽の虚像が見えることでだるま型になるというのが、科学的な解説。
富山湾・魚津の春などに見られる有名な蜃気楼はこの逆の「上暖下冷」で、上位蜃気楼です。
高知県では宿毛市でも11月初旬〜2月中旬にだるま夕日が期待できます。
室戸岬に「だるま朝日」、「だるま夕日」の季節が到来! | |
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