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【新・南都八景】元興寺「日本最古の屋根瓦」

【新・南都八景】元興寺「日本最古の屋根瓦」

奈良市の世界文化遺産「古都奈良の文化財」は令和5年で登録から25年の節目を迎えますが、奈良市観光協会では、12月1日、SNS映えする「新・南都八景」を発表。そのうちのひとつが、元興寺「日本最古の屋根瓦」。「元興」は、日本で最初に仏法が興隆した寺であるという意です。

飛鳥時代、百済の職人が焼いた古瓦が現役で使われる!

世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産で、南都七大寺のひとつにも数えられる元興寺(元興寺極楽坊)。
蘇我馬子が6世紀末、飛鳥に建立した日本最古の本格的寺院、法興寺(現在の飛鳥寺)が前身で、平城京遷都に伴って養老2年(718年)、平城京へ移転したというまさに奈良の都とともに歩んだ古刹です。

本堂(極楽堂)と禅室は、国宝になっていますが、その屋根瓦に注目を。
元興寺の解体修理の結果、本堂(極楽堂)西南隅と禅室の南東隅には、飛鳥時代の軒平瓦を集めて使用していることが判明、「日本最古の瓦を使った屋根」ということに。

朝鮮半島・百済(くだら)からの帰化人が焼成した瓦で、元興寺の前身である法興寺の屋根を飾っていたものを移転の際にそのまま流用したのだと推測されています。
奈良移転後に補充した新しい瓦はやや荒削りですが、飛鳥時代の瓦は丁寧に研磨して滑らかなので区別がつくのだとか。
新しい瓦は本瓦葺きでややグレーなのに対し、飛鳥時代や奈良移転直後の瓦は、赤みを帯びた行基葺きなので、素人目にも簡単に見分けが可能です。
枚数でいえば、奈良時代以前の丸瓦が1525枚、平瓦が3590枚も使用されているのです。

オリジナルの「南都八景」(室町時代の『陰涼軒日録』に初めて登場し、江戸時代に定着)に元興寺は入っていないので、SNSを意識した令和版で初の八景入りを果たしたことになります。

【新・南都八景】元興寺「日本最古の屋根瓦」
所在地 奈良県奈良市中院町11
場所 元興寺極楽坊
関連HP 元興寺公式ホームページ
電車・バスで JR奈良駅から徒歩20分。または近鉄奈良線奈良駅から徒歩10分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約7km
駐車場 東門駐車場(12台/無料)
問い合わせ 元興寺 TEL:0742-23-1377/FAX:0742-23-1378
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

奈良市で「新・南都八景」が誕生

奈良市の世界文化遺産「古都奈良の文化財」は令和5年で登録から25年の節目を迎えますが、奈良市観光協会では、12月1日、「新・南都八景」を発表。江戸時代に流布していた「南都八景」の令和バージョンで、SNSでの発信を期待し、「映える」場所が選定

元興寺極楽坊

奈良県奈良市にある元興寺(がんごうじ)はかつて南都七大寺として栄えた寺。蘇我馬子(そがのうまこ)が飛鳥(あすか)に建立した日本最古の本格的仏教寺院・法興寺(現・飛鳥寺)が平城京遷都に際して平城京(奈良)に移転し、元興寺となったもの。法興寺の

 

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