奈良市の世界文化遺産「古都奈良の文化財」は令和5年で登録から25年の節目を迎えましたが、奈良市観光協会では、12月1日、SNS映えする「新・南都八景」を発表。そのひとつが、平城宮跡「平城宮跡の空」。国営平城宮跡歴史公園(122ha)として整備され、広大な土地にワイドに空が広がっています。
平城京の中核、宮殿跡で空を見上げ、古に思いを馳せよう
奈良の都、平城京の中核となる平城宮を構成する重要な遺構が、都市開発を逃れて奇跡的に遺った場所で、正面玄関となる「朱雀門ひろば」、シンボルゾーンとなる「第一次大極殿」を中心に大極門(第一次大極殿院 南門)復原施設や遺構展示物のある第一次大極殿院エリア、東院庭園のある第二次大極殿エリアがあります。
世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産のひとつで、元明天皇は、唐(中国)の都・長安をモデルに整備、律令制に基づいた政治の中心地として、和銅3年(710年)、藤原京から奈良に遷都しています。
こうして平城京を中心に、律令国家としての仕組みが完成し、天平文化が花開き、遣唐使などで移入された中国的な文化と制度が日本的なものへと昇華していったのです。
その中心となった平城宮は、東西、南北ともに1kmあり、東側に、東西250m、南北750mの張り出し部分を有していました。
平城宮の周囲には大垣が巡らされ、朱雀門など12の門が配されていました。
現在の平城宮跡にある「第一次大極殿」は元明天皇が建てた大極殿、「第二次大極殿」は、天平17年(745年)、聖武天皇が再び奈良に都を戻した際に建てた大極殿を復原したもの(以降、平城京にはふたつの大極殿がありました)。
もちろん皇族や貴族、役人や使用人以外は入ることもできませんでしたから、当時の庶民は「平城宮の空」を見ることはできませんでした。
奈良市観光協会が「新・南都八景」に「平城宮跡の空」を入れたのは、「平城宮跡の空」を眺めることで、当時、律令国家づくりを急いだ時代を体感、つまりは「日本という国の始まり」を感じとることができるからだと推測できます。
【新・南都八景】平城宮跡「平城宮跡の空」 | |
所在地 | 奈良県奈良市佐紀町 |
場所 | 平城宮跡 |
関連HP | 国営平城宮跡歴史公園公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良線・京都線大和西大寺駅から徒歩10分、近鉄奈良線新大宮駅から徒歩15分 |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約7.5km |
駐車場 | 県営奈良めぐり平城宮跡前自動車駐車場(130台/有料) |
問い合わせ | 平城宮跡管理センター TEL:0742-36-8780/FAX:0742-36-8781 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag