新潟県と長野県の県境、関川に懸かる落差55mの苗名滝(なえなたき)。玄武岩の見事な柱状節理の断崖から水しぶきを上げて落ち込むさまは迫力満点で、「日本の滝百選」にも選ばれています。とくに雪解け水が流れ込む春から初夏は、水量も増し、見応え十分。真夏でも周囲はクールゾーンなので、夏の避暑スポットとして散策に最適の地。
滝は4連ですが、鑑賞できるのは最下段だけ!
関川上流に位置する滝で、実は連続する4つの滝。鑑賞できるのは最下流の一の滝のみで、平成7年の大水害で遊歩道が流失し、二の滝、三の滝、四の滝への道はありません。
苗名滝(一の滝)へは、入口の駐車場からなら徒歩15分ほどで到達可能です。
15万年前~12万年前に妙高火山群の黒姫山(標高2053m/成層火山・信濃富士)が噴火して流れ出た苗名滝溶岩流の末端に懸かる滝。
滝に近づくにつれ地響きがし、まるで地震が来ているような感じがすることから「地震の滝」(ないのたき)という名(地震を古語で「なゐ」)が「ないの滝」が「なえな滝」、つまり苗名滝に転訛したと推測できます。
妙高山に「跳ね馬」(牛形とも)の雪形が現れる頃、雪融けとともに滝が現れるときが、地元で田植えを始める目安となっています。
下流の高田平野の田を潤す源という意味から苗名滝となったという可能性もあります。
滝のもっとも美しい季節は、雪融けの増水時(ブナの森の新緑時)と、10月中旬頃の紅葉時。
池の平温泉は、「森林セラピー基地」となっていますが、いもり池から苗名滝への遊歩道は「セラピーロード」に認定の妙高高原自然歩道の一部。妙高高原自然歩道の起点となる燕温泉からは上り下りが厳しく上級者向けのコースですが、いもり池からなら高低差もあまりなく、手軽な散策です。
岩に、「瀧けぶり側で見てさへ花の雲」と刻まれていますが、文化10年4月に苗名滝を訪ねた時に詠んだもの。
小林一茶は、「いざいなん江戸は涼みもむつかしき」という句を残し、文化9年11月に江戸を発ち、郷里の信濃国柏原村(現・長野県信濃町)に移り住みます。
故郷に戻った翌年に、まずは近くの名瀑へと足を伸ばしたのでしょう。
苗名滝 | |
名称 | 苗名滝/なえなだき |
所在地 | 新潟県妙高市杉野澤 |
関連HP | 妙高観光局公式ホームページ |
電車・バスで | えちごトキめき鉄道・しなの鉄道妙高高原駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 上信越自動車道妙高高原ICから約7km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 妙高高原観光案内所 TEL:0255-86-3911/FAX:0255-86-3450 |
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