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伊沢和紙工房 欅

伊沢和紙工房 欅

新潟県十日町市の犬伏集落。市街地から車で30分ほどかかる山間にある犬伏集落には伊沢和紙(いさわわし)という伝統産業があります。実は昭和30年代の後半に途絶したのですが、平成15年に伊沢和紙工房 欅が建設され、伊沢和紙の伝統が復活。その工房では、予約で和紙の手漉き体験も可能です。

昭和30年代に途絶した伊沢和紙が復活! 紙漉き体験も可能です

伊沢和紙は、江戸時代に、信州・飯山(長野県飯山市)の内山和紙が伝えられたとされています。
秋11月頃に、原料となる楮(こうぞ)を刈り取り、農閑期となる冬場に紙を漉いたのです。
感覚的には、冬の農作業といった感じだったのでしょう。
豪雪地帯という特性を活かし、越後上布でも行なわれる「雪晒し」(ゆきさらし)で楮の白皮を雪の上に並べて漂白していました。
丈夫な伊沢和紙は、傘や障子、凧の紙として重宝されたのです。

洋紙の普及もあって、昭和30年代に伊沢和紙最後の和紙職人・佐藤勇吉さんが工房を廃業し、いったんは途絶えた和紙作り。
平成2年、地元の孟地(もうち)小学校で、卒業生が伊沢和紙を自ら漉いて卒業証書を作ったのがきっかけとなり、復活の機運が盛り上がりました。
伊沢和紙工房 欅の完成とともに、その小学生が成長してUターンしたのが、現在、工房をひとりで切り盛りする山本貢弘さんです。

飯山から伝わった和紙の技術は、犬伏集落から高柳門出、小国へと広まりましたが、山本貢弘さんが1ヶ月修行に入ったのが越後門出和紙(えちごかどいでわし)の工房(小林康生さん)。

こうして地元有志でつくる「けやきの会」と山本貢弘の熱意で、見事に復活を果たしたのが伊沢和紙なのです。
原料となる楮の栽培を始めるなど、活動も精力的です。
紙漉きは通年、予約で可能ですが(有料ですがかなり手頃な料金です)、和紙づくりに重要な楮づくり、収穫、皮剥ぎなどの作業の体験も受け入れています(6~7月:芽摘み、10月下旬~11月:収穫、11月~:皮剥ぎ/こちらの体験は無料)。

伊沢和紙工房 欅
名称 伊沢和紙工房 欅/いさわわしこうぼう けやき
所在地 新潟県新潟県十日町市犬伏143
関連HP 伊沢和紙工房 欅公式ホームページ
電車・バスで 北越急行ほくほく線まつだい駅からタクシーで12分
ドライブで 関越自動車道六日町ICから約27km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 伊沢和紙工房 欅 TEL:025-595-6692
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

取材協力/伊沢和紙工房 欅、新潟県観光協会、雪国観光圏

【南魚沼・十日町取材レポート】No.12 伊沢和紙工房 欅

2018年5月22日

 

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