長野県安曇野市の有明地区にある高野山真言宗の古刹、松尾寺(まつおじ)。山号は鶴王山で、本尊は薬師如来。享禄元年(1528年)、国人領主・仁科盛政(にしなもりまさ)の開基と伝わるが定かでありません。本堂(薬師堂)は、室町時代末の建立で、国の重要文化財に指定されています。
5月に咲く藤と牡丹でも有名
明治の廃仏毀釈でいったん廃寺となったこともあり、寺域は往時よりも狭まり、現存する堂宇は、仁王堂(仁王門)と本堂(薬師堂)のみとなっています。
大町市にある仁科家の祈願所・盛蓮寺観音堂(国の重文)と松尾寺本堂(薬師堂)が似ているのは、仁科氏ゆかりという関連から。
松尾寺山公園一帯には5月には藤と1000株の牡丹が咲き見事。
仁科氏は現在の天正寺(大町市北原町4729)に館を構え、平安時代に伊勢神宮の御領「仁科御厨」、そして中世に安曇野を治めた豪族(国人領主)。
松尾寺を開いたと伝わる仁科盛政は、武田信玄の勢力下に組み込まれ、永禄4年(1561年)の第四次川中島の戦いでは佐久まで遠征しています。
その際、留守役の家臣が上杉謙信に調略されたため、信玄は木崎湖畔の森城(現・大町市)を攻略、仁科盛政は府中(甲府)に連行されて自害しています(子は許されて飯縄神社の神職に)。
仁科盛政の死後、武田信玄の五男・仁科盛信(にしなもりのぶ)が養子として仁科氏の名跡を継ぎ、安曇野は武田氏滅亡まで引き続き武田支配が続きました(信長の甲州征伐で高遠城で討ち死)。
松尾寺 | |
名称 | 松尾寺/まつおじ |
所在地 | 長野県安曇野市穂高有明7327 |
関連HP | 松尾寺公式ホームページ |
ドライブで | 長野自動車道安曇野ICから約14.4km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 松尾寺 TEL:0263-83-4171 |
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