長崎県雲仙市、雲仙温泉を代表する観光名所が雲仙地獄。戦後間もない昭和27年、菊田一夫原作の連続ラジオドラマ『君の名は』が大ヒットを収め、映画化されますが、その映画化ロケ(岸惠子・佐田啓二主演・昭和29年公開の『君の名は』第三部)で一躍有名になったのが、雲仙地獄・真知子岩です。
「忘却とは忘れ去ることなり」の碑も立つ
映画『君の名は』は大ヒットを記録し、全三部作が制作されていますが、雲仙が舞台となるのは昭和29年4月27日公開の第三部。
ライバルの東宝は『七人の侍』(4月26日公開)を公開していますが、昭和29年の配給収入ランキング第1位は『君の名は』で、岸惠子の真知子巻きがブームに。
最も噴気の激しい大叫喚地獄展望所(だいきょうかんじごくてんぼうしょ)と温泉卵が販売されるお糸地獄の間にあり、昭和50年にはヒロイン・氏家真知子役の岸惠子が手を付いた岩(真知子岩)の脇に記念した碑も建てられ、「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」という有名なラジオドラマ冒頭のナレーションが刻まれています。
国際観光地としての歴史を有する雲仙ですが、戦前は上海、香港に駐在する外国人(イギリス人、ロシア人)などの夏のリゾート地としても繁栄し(上海〜長崎航路を利用し、雲仙で避暑)、終戦直後は、雲仙といえばあこがれの旅先でもあったのです。
ラジオドラマの中では、全国を転々とする主人公・真知子が勤めるホテルとして、「雲仙観光ホテル」が登場。
真知子岩や雲仙観光ホテル、雲仙九州ホテル、有明ホテル、日本初のパブリックコースである雲仙ゴルフ場がそんな歴史を今に伝えています。
『君の名は』の作者・菊田一夫は、養母が加津佐町(現・南島原市加津佐町)出身だったことから、小学校時代の1年間を加津佐町で暮らしています。
その頃はちょうど、雲仙が国際観光地として繁栄していた時代。
その思い出もあって、真知子の勤め先を「雲仙観光ホテル」に設定したのかもしれません。
雲仙地獄・真知子岩 | |
名称 | 雲仙地獄・真知子岩/うんぜんじごく・まちこいわ |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
関連HP | 雲仙温泉観光協会オフィシャルサイト |
電車・バスで | JR諫早駅から県営・島鉄雲仙行きバスで1時間20分、雲仙ビジターセンター前下車、徒歩5分 |
ドライブで | 長崎自動車道諫早ICから約34km |
駐車場 | 第一〜第五駐車場(186台、※第三駐車場は閉鎖中)、雲仙温泉神社駐車場(21台)、満明寺駐車場(13台)/有料 |
問い合わせ | 雲仙温泉観光協会 TEL:0957-73-3434 |
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