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黒崎教会

黒崎教会

長崎県長崎市上黒崎町、遠藤周作の小説『沈黙』の舞台ともなった黒崎の地に建つカトリック教会が黒崎教会。長崎市の外海(そとめ)は、潜伏キリシタンの里、そして隠れキリシタンの多い地として知られ、五島列島をはじめ、県内外のカトリック信者の発祥の地としても有名です。

黒崎は、遠藤周作の小説『沈黙』の舞台

外海の黒崎地区は、外海のキリシタンが守り抜いた信仰の面影を随所に見られる場所。
黒崎教会は、明治30年にド・ロ神父(マルク・マリー・ド・ロ/Marc Marie de Rotz)の指導で敷地が造成され、明治32年から教会堂建設が具体化し、大正9年に完成したもの。
施工は地元・黒崎の大工棟梁・川原忠蔵(熱心なカトリック信者)。
川原忠蔵の父・川原粂吉(かわはらくめきち)は、プチジャン神父と大浦天主堂を築いたひとりといわれています。

敬虔な信徒たちがレンガをひとつひとつ運び積み上げて築いたロマネスク様式のレンガ造りの聖堂です。
建築着工時には当時250戸ほどの信徒によって1万2000円の資金の積み立てがあったのだとか。

内部はゴシック調で、三廊、リブ・ヴォールト天井(Rib vault)、整然と並んだ柱、美しいステンドグラスなど厳かな雰囲気が漂っています。

教会内は一般公開されていますが、現役の教会なので、見学に際しては「教会見学時マナー」を守って見学を(献金箱に寄付を)。

ちなみに、遠藤周作の『沈黙』は、江戸時代初期のキリシタン弾圧の際、イエズス会の司祭で高名な神学者であるクリストヴァン・フェレイラが、過酷な拷問に耐えきれず、棄教したという報せがローマにもたらされ、弟子セバスチャン・ロドリゴ、フランシス・ガルペが五島列島に潜入し、長崎奉行所に追われるという話。
司祭が踏絵を踏むという衝撃的な結末から、多くの話題を生んだ作品ですが、昭和46年に『沈黙 SILENCE』(監督:篠田正浩)、さらに平成28年には『沈黙 -サイレンス-』(監督:マーティン・スコセッシ/パラマウント映画、KADOKAWA)として映画化されています。

●写真掲載については長崎大司教区の許可をいただいています。
取材・画像協力/長崎県観光連盟

出津・黒崎に残る隠れキリシタンとは!?

付属する鐘楼は隠れキリシタンの帰依を願って設置されたもの。
幕末から明治維新の動乱期、潜伏キリシタンの取締が比較的に穏やかだった佐賀藩領に、プティジャン神父が訪れると、多くの潜伏キリシタンがいることが発覚。
禁教が解かれていないことを心配した庄屋(キリシタン)は村役と協議し、プティジャン神父の教えを積極的に学ぶ神父派の熱意を削ぐために秘蔵のミカエルの絵、十五玄義の絵を盗み出し、それがもとで、出津・黒崎のキリシタンは二分され、片方は隠れキリシタンとなって潜伏したのです。

キルスト教を信じることは同じですが、禁教令解除後にカトリックに復帰せず、禁教時代の独特な信仰形態を継承したキリスト教信徒が隠れキリシタンと呼び、禁教時代の潜伏キリシタンとは区別して呼ばれています。
出津地区では、観光ボランティアガイドが隠れキリシタンだったりするので、ガイドを頼めば外海の歴史の複雑さを理解することができます。

黒崎教会
名称 黒崎教会/くろさききょうかい
所在地 長崎県長崎市下黒崎町26
関連HP 長崎市公式観光サイト
電車・バスで JR長崎駅前から長崎バス板の浦・出津方面行きで40分、黒崎教会前下車、すぐ
ドライブで 長崎自動車道長崎多良見ICから約30km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 長崎巡礼センター TEL:095-893-8763
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

出津教会堂

長崎県長崎市西出津町、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となる外海の出津集落(そとめのしつしゅうらく)にある出津教会堂(カトリック出津教会)。外海の出津・黒崎地区に赴任し生涯を外海に捧げたド・ロ神父が、明治15年に

旧出津救助院

長崎県長崎市西出津町、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となる外海の出津集落(そとめのしつしゅうらく)にあるド・ロ神父が明治16年に設立した女性の自立支援の授産施設の跡が旧出津救助院。建物は国の重要文化財に指定され

 

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