原爆犠牲者の慰霊と世界恒久平和の願いを込めて、被爆10周年の前日、昭和30年8月8日に完成した、長崎県長崎市にある平和公園の平和祈念像。高さ9.7m、重さ30tの青銅製で、天を指す右手は原爆の脅威を、水平に伸ばした左手は平和を表し、軽くまぶたを閉じ、犠牲者の冥福を祈っています。長崎出身の彫刻家・北村西望の作品。
平和を祈念する北村西望の代表作
長崎に人類史上2番目の原子爆弾が投下されたのは昭和20年8月9日午前11時2分のこと。
長崎市北部の緑広がる園内は原爆落下中心地にあたり、平和を願うモニュメントなどが点在します。
なかでも昭和44年に造られた「平和の泉」は、被爆者たちの冥福、世界恒久平和と核兵器廃絶の願いを込めて建設されたもので、正面の石碑には被爆した少女の手記が刻まれています。
例年8月9日には、祈念像前の広場で『平和祈念式典』が行なわれています。
平和祈念像の作者・北村西望(きたむらせいぼう)は、明治17年12月16日、長崎県南高来郡南有馬村白木野(現・南島原市)に生誕(西望記念館「西望生誕之家」として公開)。
北村西望の代表作となる平和祈念像は、平和祈念像建設協賛会が組織され、昭和26年から4年の歳月を費やし、内外からの浄財3000万円を資金源として制作されています。
除幕されたのは、原爆10周年の日の前日、昭和30年8月8日でした。
平和祈念像の裏面には「平和祈念像作者の言葉」が刻まれています。
東京都武蔵野市の井の頭公園内の「井の頭自然文化園彫刻館」(平和祈念像の制作に用いたアトリエ)には平和祈念像の原型が展示されています。
平和祈念像作者の言葉
あの悪夢のような戦爭
身の毛もよだつ凄惨悲惨
肉親を人の子を
かえりみるさえ堪えがたき眞情
誰か平和を祈らずにいられよう
茲に全世界平和運動の先駆として
この平和祈念像が誕生した
山の如き聖哲それは逞しい男性の健康美
全長三十二尺餘
右手は原爆を示し左は平和を
顔は戦爭犠牲者の冥福を祈る
是人種を超越した人間
時に佛 時に神
長崎始まって最大の英断と情熱
今や人類最高の希望の象徴
昭和三十年 春日 北村西望
平和公園・平和祈念像 | |
名称 | 平和公園・平和祈念像/へいわこうえん・へいわきねんぞう |
所在地 | 長崎県長崎市松山町 |
関連HP | 長崎市公式観光サイト |
電車・バスで | JR長崎駅から赤迫行き路面電車で15分、松山町下車、徒歩5分 |
ドライブで | 長崎自動車道長崎ICから約7km |
駐車場 | 長崎市平和公園駐車場(120台/有料) |
問い合わせ | 長崎市中央総合事務所 地域整備1課 TEL:095-829-1164 |
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