長崎県壱岐市芦辺町、壱岐島で2番目に高い、標高168mの男岳(おんだけ)山頂付近にあり、古くから島民の信仰を集めてきた男嶽神社。祭神は猿田彦命(さるたひこのみこと)で、明治以降に家運の長久を願って石猿を奉納する習慣が生まれ、男嶽神社石猿群として異色の空間を生み出しています。
明治初年までは入山禁止だった聖域
明治時代までは山全体が御神体で禁足地(きんそくち)、つまり、入山が許されない霊山だったといい、山麓に遥拝所(しおい掛石)が設けられていました。
現在では、400段の階段が続く参道、そして車道も山上まで通じていますが、今でも枯れ枝一本たりとて持ち帰ることが許されない神域です。
男嶽神社境内には拝殿横の石段を含め、社殿を取り囲むように230体もの石猿が奉納されていますが、近づいて顔をよく見ると、一体一体異なっていて表情豊か。
当初は、農耕に使い家族同様だった牛の健康や繁殖を祈願して石牛が奉納されていましたが、祭神の猿田彦命にちなんで、願掛けが成就した際に石猿も奉納するようになったもの。
拝殿横に祀られた玄武岩の巨岩が磐座(いわくら)で、御神体です。
社殿が設けられたのは明治時代で(石猿を奉納する風習も明治以降のもの)、磐座は、古代の信仰を伝えるものです。
明治時代に猿田彦命が祀られましたが、神仏習合の江戸時代までは、海人の壱岐氏(いきうじ)によって祀られた月神(海の干満を司る神)の信仰で、航海安全などの信仰があったと推測できます。
男女岳ダムのダム湖を隔てて、南側には女岳(めんだけ/149m)がそびえ、女嶽神社(めんだけじんじゃ)が鎮座し、巣食石が御神体となっています。
男嶽神社石猿群 | |
名称 | 男嶽神社石猿群/おんたけじんじゃせきえんぐん |
所在地 | 長崎県壱岐市芦辺町箱崎諸津触 |
関連HP | 壱岐市観光連盟公式ホームページ |
電車・バスで | 芦辺港からタクシーで15分 |
ドライブで | 芦辺港から約5km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 男嶽神社社務所 TEL:0920-45-1881 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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