長崎県東彼杵郡川棚町岩屋郷の山中の岩窟にあるのが、岩屋権現。権現とは神仏習合時代の名残りの名称で、明治維新の神仏分離、廃仏毀釈で岩屋神社になっていますが(鳥居の扁額は岩屋神社)、今も岩屋権現と通称されています。199段の石段の石段を上った先の岩窟(権現洞)に神殿が設けられています。
小さな岩穴を腹ばいになって通り抜けた先に神殿が!
修験の山として信仰され、九州のマッターホルンと称される鋭鋒・虚空蔵山(こくぞうさん)の西山麓にあり、岩屋権現も修験道で栄えた歴史があります。
空海(弘法大師)が創建したという伝承もあり、祀られるのは毘沙門天。
現在の岩窟(権現洞)は、僧・円順が掘ったもので、拝殿の入口に享保7年(1728年)に建立した円順の頌徳碑(しょうとくひ)があります。
拝殿と神殿を結ぶ岩穴は耳の穴と呼ばれ、親不孝の人は尻がつかえて通り抜けられないという伝承も。
この腹ばいになって通り抜ける岩穴をくぐらなければ神殿に出ることはできないので、神殿まで到達する場合には、汚れてもいいような服装で参詣を。
往時は女人禁制でしたが、瀬戸の初音はその信心が認められ、参詣を許され
「岩屋岩根の岩かけごろも
きてみて帰る瀬戸の初音」
という歌を残しています。
岩屋権現へと上る石段には鬼が一夜で築いたという伝説もありますが、各地に残る伝承なので、後世の後付だと推測できます。
岩屋権現の石段下から車で10分ほどの長崎県道106号(嬉野川棚線)沿いには日本の棚田百選にも選定される日向の棚田(ひなたのたなだ)があります。
岩屋権現 | |
名称 | 岩屋権現/いわやごんげん |
所在地 | 長崎県東彼杵郡川棚町岩屋郷739 |
関連HP | 川棚町公式ホームページ |
電車・バスで | JR川棚駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 西九州自動車道波佐見有田ICから約13km。長崎自動車道東そのぎICから約11km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 川棚町教育委員会 TEL:0956-82-2064 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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