「日本一早いお花見」ができるのは、沖縄県。例年、1月18日前後に、沖縄気象台は桜の開花宣言を発表しています。ただし、この桜は、本州の標本木になっているソメイヨシノではなく、琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)。しかも、気象台の開花宣言を聞いてから出かけては、遅すぎることもあるのだとか。その理由は!?
ソメイヨシノの咲かない沖縄は、寒緋桜でお花見
もともと桜はヒマラヤが原産。
ヒマラヤの山中で桜が咲くのは、晩秋から初冬の11月から12月。
このヒマラヤから桜は進化を続け、東へと海を渡り、沖縄で琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)が咲くのが1月というわけなのです。
単一クローンの人工種(エドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一クローン)であるソメイヨシノは北海道札幌市から鹿児島県種子島まで栽培されていますが開花は、本州でおよそ3月〜4月。
本州での野生種の中心が山桜で、有名な「吉野の桜」(奈良県吉野山)も山桜で、やはり開花は春先です。
桜の「進化の旅」はさらに北へと進み、日本最後の花見は、知床の山中に咲くチシマザクラで7月の初旬〜中旬、初夏になって開花するのです。
先陣を切って咲く、沖縄の桜は、カンヒザクラ、オオシマザクラ、クメノザクラ。
沖縄気象台の生物季節観測用の桜、いわゆる標本木は、那覇市首里末吉町1-3-1の末吉公園にあり、これまでの開花の平均は、1月18日頃、満開になるのは2月4日頃(あくまで平均値です)。
沖縄気象台の開花宣言より早く開花する、本島北部の桜!
琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)も、いったん低温を経験しないと咲かないので、沖縄では本島南部より本島北部の方が早く気温が下がるため、本島北部から琉球寒緋桜(リュウキュウカンヒザクラ)が咲き始めます。
ここで注意したいのは、本島北部の開花は、沖縄気象台(本島南部)の開花宣言より、早いこと。
「日本一早い桜まつり」が行なわれるのは本部町(もとぶちょう)の山岳部、八重岳。
『もとぶ八重岳桜まつり』は例年1月20日頃には始まります。
「那覇でのお花見は例年2月中旬〜下旬ですが、本島北部では半月は早いのでご注意を」と本部町の観光関係者も話します。
つまり、開花宣言を聞いてから、いそいそと出かけては、遅すぎるということに!
そして、沖縄のお花見は、本州と違って「飲食なし」という点にも留意を。
桜の下で、弁当を広げ、酒を飲むという習慣はまったくありません。
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