沖縄県中頭郡読谷村(よみたんそん)の国道58号沿いにある道の駅が、道の駅喜名番所(みちのえききなばんじょ)。琉球王国の首都・首里から中頭郡(なかがみぐん)、国頭郡(くにがみぐん)を結ぶ街道にあたる喜名には関所が設けられていましたが、それを復元し、道の駅にしたものです。
琉球王府時代の番所を復元
一見すると、歴史的建造物にも思える建物ですが、往時の建物は太平洋戦争の戦火によって焼失。
世界文化遺産「琉球王国のグスク」(平成12年12月2日登録)の構成資産である座喜味城の周辺整備事業の一環として平成17年に建物を、沖縄に古くから伝わる、工法を用いて復元したもの。
釘を使わずに組み立てた貫木屋(ヌチジヤー/明治22年に家屋制限令が撤廃されるまでは、士族階級の邸宅などに限定された工法で、一般住宅は穴屋・アナヤーと呼ばれていました)、床は、赤土を混ぜた三和土(たたき)仕上げです。
讀谷山村役場(ゆんたんざむらやくば)という看板が掲げられるのは戦前まで役場として使われていたからで、讀谷山村道路元標も置かれています。
讀谷山村役場以前は、讀谷山間切役場で、さらにその前が讀谷山間切番所で、讀谷山間切番所の通称が喜名番所です。
門前を通る道が、本島南部と北部を結ぶ宿道(中頭方西海道)で、1853年6月3日には、ペリー提督の探検隊もここで休憩し、地元民から鶏や卵、キューリなどのサービスを受け、従軍画家ウィリアム・ハイネ(ドイツ蜂起の革命側芸術家でアメリカに亡命)が絵を残しています。
一帯は道の駅となり、館内には観光案内スペース(観光ガイドも常駐)、休憩スペース、特産品展示スペースを設置(物産館、レストランなどはありません)。
道の駅豊崎がオープンするまでは、ここが日本最西端の道の駅でした。
国道58号が喜名番所跡中央を通り(昭和50年の沖縄国際海洋博覧会の際に開通した国道)、敷地は分断されていますが、古くからの屋敷囲いの土手や大きなフクギが残されている点にも注目を。
近くには壺屋より歴史があるという喜名古窯跡もありますが、喜名小学校の南側住宅地の一角に表示が立っているだけです。
道の駅喜名番所 | |
名称 | 道の駅喜名番所/みちのえききなばんじょ |
所在地 | 沖縄県中頭郡読谷村喜名1-2 |
関連HP | 読谷村公式ホームページ |
ドライブで | 沖縄自動車道沖縄北ICから約11km |
駐車場 | 39台/無料 |
問い合わせ | 道の駅喜名番所 TEL:098-958-2944 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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