名古屋の誇る老舗カレーメーカーで、昭和20年11月に日本で最初のインスタントカレー(即席カレー=粉末タイプ)を販売したメーカー、オリエンタル。そのオリエンタルが「名古屋の味」として販売するレトルトカレーが、「肉味噌カレー」。八丁味噌とカレーが融合した、まさに名古屋らしいご当地カレーです。
八丁味噌(カクキュー)がカレーにひゃーっとる
八丁味噌を名古屋の味噌だと勘違いしている人も多いのですが、実は岡崎城から八丁(1丁=109m)離れた八丁町で醸される味噌が八丁味噌というワケなのです。
名古屋は旧国でいえば信長、秀吉を生んだ尾張国。八丁味噌の岡崎は家康出身の三河国となるのです。
八丁味噌が、通常の赤味噌と違うのは、二夏二冬(2年以上)天然醸造で熟成させているので、色が黒く、大豆のうま味を凝縮した濃厚なコクが生まれるから。
そんな三河の八丁味噌(豆みそ)と奥三河で飼育されるヘルシーな三河赤鶏(鶏挽き肉)を使ったのがオリエンタルの「肉味噌カレー」。
しかも八丁味噌は、名古屋の人なら誰もが知っている正保2年(1645年)創業という老舗のカクキュー。
永禄3年(1560年)、桶狭間の戦い(おけはざまのたたかい)で今川義元が敗れた後、岡崎の願照寺へと逃れて武士をやめ、寺で覚えたのが味噌作りという、八丁味噌のルーツ的な存在です。
「三河赤鶏の挽肉を、カクキューの八丁味噌やみりんなどの調味料で煮込み、香り高いスパイスをブレンドすることで、味わい深い芳醇なカレーに仕上げました」(オリエンタルの宣伝文句)。
三河赤鶏は、在来種であるロードアイランドレッドの血統を色濃く残す銘柄鶏。
生育には時間がかかりますが、その分、コクが違うのだとか。
オリエンタルがカクキューの八丁味噌と三河赤鶏にこだわったのは、そのコクに注目したからだといえるでしょう。
「ご飯だけでなく、うどんやパスタなどの麺類とあわせても、おいしくお召し上がりいただけます」(オリエンタル)というのは、まさに麺文化の名古屋らしいPRです。
原材料
鶏挽き肉(国産)、オニオンピューレ、野菜(にんじん、たけのこ)、豆みそ、トマトペースト、食用油脂(大豆油、菜種油、ごま油)、チキンブイヨン、みりん、にんにく加工品、香辛料、カレー粉、砂糖、しょうが加工品、赤ワイン、食塩/調味料(アミノ酸)、増粘剤(加工でん粉)、(一部にごま・大豆・鶏肉を含む)
ぬくとめてご飯に掛けるだけだがね
このオリエンタル、名古屋の誇る老舗カレーメーカーで、昭和20年11月に日本で最初のインスタントカレー(即席カレー=粉末タイプ)を販売したメーカーでもあるのです。
年配の名古屋人は宣伝カーやラジオ・テレビなどから流れる「なつかし~い、なつかし~い、あのリズム♪」というCMソングを覚えていることでしょう(日本初の本格的CMソングともいわれています)。
三河ブランドであるカクキューの八丁味噌と三河赤鶏を使っているから、名古屋の味ではなく、愛知の味、岡崎の味じゃないかという人もいるかもしれませんが、名古屋のスーパーにもカクキューは普通に売られ、オリエンタル+八丁味噌なら、名古屋の味だというわけでしょう。
岡崎出身の徳川家康が『名古屋まつり』に三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康=三英傑)として登場するのと同じ感覚なのかもしれません。
このオリエンタルが名古屋の味として販売する「肉味噌カレー」はレトルトなので、「ぬくとめるだけ(温めるだけの意の名古屋弁)」で味わえます。
星野益一郎が生み出した世界初の即席カレー。
大型トラックを改造した宣伝カーにCMソングを鳴らしながら全国各地にPR。
宣伝カーの後部にはステージが設えられ、歌手やマジシャン、腹話術師などの芸人がショーを行なったり、子供たちに風船を配ったりして即席カレーの普及に尽力したのです。
南利明のテレビCMは、「ハヤシもあるでよー」という名古屋弁の名セリフが一世を風靡。
他社が固形ルウへと踏み出した時代にも、高融点の油脂を使わない粉末のほうが身体にいいということで、頑なに粉末にこだわったオリエンタル。
昭和47年には、レトルト風の「濃縮生乃カレー」を発売、その後も、味と健康にこだわった商品を生み続けています。
東京や大阪に販路がないため、あまり見かけることがありませんが、オリエンタルは、まさに日本における即席カレーの王道を歩むメーカー。
オリエンタルの公式HPに「オリエンタルショッピング」が用意され、「名古屋の味」コーナーで購入が可能。
即席カレーのルーツのプライドが生んだ「名古屋めし」のひとつ、「肉味噌カレー」、一度ぜひお試しを。
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