大阪・船場(せんば)のビル街に江戸時代の町家が残る適塾(てきじゅく)は、江戸時代の蘭学者・緒方洪庵(おがたこうあん)の私邸で天保9年(1838年)に創設し24年に渡って蘭学を教えた私塾の跡。幕末から明治維新にかけて活躍した人材を多く輩出し、大阪大学医学部および慶應義塾大学の源流のひとつにもなっています。
緒方洪庵が開いた学塾跡
備中国(現在の岡山県西部)足守(あしもり)藩士の子として生まれた洪庵は江戸、長崎で蘭学修業を続け、当時の大坂瓦町で医師として開業、同時に塾を開いた。
洪庵の号「適々齋」(てきてきさい)から名付けられ、ここから慶應義塾を創立した福沢諭吉、日本近代陸軍を創設した大村益次郎、安政の大獄で処刑された橋本左内、蝦夷共和国の陸軍奉行・大鳥圭介、胃腸薬タカジアスターゼで巨万の富を築いた高峰譲吉など1000人にも達する英才たちを送り出したといわれています。
文久2年(1862年)、洪庵が江戸幕府奥医師、そして西洋学問所頭取となって、江戸に移住した後は、塾生の教育には緒方拙斎(養子)があたっています。
国の重要文化財に指定され、当時、塾生たちが寝起きした部屋や貴重な資料が公開されています。
適塾は、薬問屋が集まる道修町に近く、当時の最先端の医療・薬学情報が集まっていたのです。
適塾 | |
名称 | 適塾/てきじゅく Tekijuku |
所在地 | 大阪府大阪市中央区北浜3-3-8 |
電車・バスで | 地下鉄御堂筋線・京阪電車淀屋橋、または北浜駅から徒歩5分 |
ドライブで | 阪神高速道路環状線土佐堀ランプから約2km |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 適塾 TEL:06-6231-1970 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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