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通天閣

大阪市浪速区の新世界に建つ展望塔。通天閣は天に通じる建物の意で明治の儒学者、藤沢南岳の命名。もともとは明治45年に、歓楽地・新世界の目玉となった娯楽遊園地ルナパークにエッフェル塔を模して建てられたましが、戦時中に鉄材の戦時供出のため解体。現在の通天閣は2代目で、昭和31年に再建されたもの。国の登録有形文化財に指定。

ビリケンさんが鎮座するなにわのシンボル

2代目の通天閣は名古屋テレビ塔、東京タワーの設計で知られる内藤多仲(ないとうたちゅう)によるもので、高さ103m、91mにある展望台からは大阪の街を一望に。

内藤多仲設計の「タワー6兄弟」のうちでは、名古屋テレビ塔(昭和29年/国の登録有形文化財)に次ぐ建築で、次男坊。

5階展望台の台座に鎮座する「ビリケンさん」は足の裏を撫でるとあらゆる願いが叶うという像で、明治45年の創業時に世界的に流行していたビリケン像(ビリケン堂)をルナパークにも造ったのがルーツ。

みんなの人気者、トンガリ頭に釣り上がった目のビリケン(BILLIKEN)は、1908(明治41)年、アメリカの女流アーティスト、E・I・ホースマンが夢に見た神様を具現化したもの。

通天閣の塔頂部には翌日の天気を4つの色の組み合わせで示すネオンサインが付いています。
白色は晴、オレンジ色は曇、ブルーは雨、ピンクは雪といった具合。
大阪管区気象台の発表する天気予報がネオンの色でわかる仕組み。
また通天閣本通商店街は平成8年のNHKの連続テレビ小説『ふたりっ子』にたびたび登場しました。

エントランスの天井画、1階の「王将」碑にも注目を

初代の通天閣のエントランスの天井画は、「クラブ洗粉」を発売した地元の化粧品メーカー・中山太陽堂(現在のクラブコスメチックス)の広告だったクジャクの画。
中山太陽堂は、文芸雑誌『苦楽』を創刊するなど阪神間モダニズムと呼ばれる文化を生み出しているのです。

平成27年に完成した耐震工事の際に、中山太陽堂の後継となるクラブコスメチックスは織田一磨が描いた初代天井画の草稿を基に、日本画家の沖谷晃司が原画(花園に遊ぶクジャク図)を作成し、天井画を復活させています。
よく見ると、初代と同じで、「クラブ洗粉」、「クラブ白粉」、「クラブ化粧水」、「クラブ歯磨」という当時の商品名も刻まれています。

そしてもう一つの注目が、1階の脚部の西側に設置される「王将」碑。
阪田三吉の偉業を称える像。
村田英雄が歌ってシングル販売150万枚を超える大ヒットを記録した『王将』(昭和36年/作詞:西條八十、作曲:船村徹)に歌われる棋士のモデルも阪田三吉です。

通天閣
名称通天閣/つうてんかく
所在地大阪府大阪市浪速区恵美須東1-18-6
関連HP通天閣公式ホームページ
電車・バスで地下鉄堺筋線動物園前駅から徒歩5分、恵比須町駅から徒歩2分、JR新今宮駅から徒歩5分
ドライブで阪神高速1号環状線夕陽丘出口から約1km。なんば出口から約1.6km
駐車場なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ通天閣 TEL:06-6641-9555/FAX:06-6641-9559
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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