大阪府富田林市の南東、嶽山(だけやま)中腹にたたずむ真言宗の古刹が、龍泉寺。寺伝によれば、595年(推古天皇2年)、薬師如来を本尊として蘇我馬子が創建したと伝えられ、弘仁14年(823年)、空海(弘法大師)が祈祷を唱え、龍王を祀ったところ枯れ池の水を蘇らすことができたとされています。
空海伝説が残る富田林の古刹
悪龍を退散させるために蘇我馬子が寺を創建し、その怨念で枯れた泉を空海が復活させたというまさに伝説のパワースポット。
龍泉寺という寺名はこの故事に由来しています。
空海は、水を湛える池に誕生した3つの島に、聖天、弁財天、叱天を祀り、鎮守社(現・咸古神社・こんくじんじゃ)に牛頭天王(ごずてんのう=神仏習合の神で、釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神)を祀っています。
つまり、牛頭山という山号は牛頭天王から。
南北朝時代には楠木正成が嶽山山頂に龍泉寺城を築いたため戦火に巻き込まれ、長禄4年(1460年)には畠山義就(はたけやまよしひろ)が嶽山城に籠城し、畠山政長(はたけやままさなが)と嶽山城の戦いでは兵火を受け荒廃。
現存する堂宇はその後の再建ですが、仁王門は鎌倉時代のもので、府下最古の八脚門として国の重要文化財に指定されています。
龍泉寺庭園は湧き水をたたえる浄土式庭園で、国の名勝。
小島に建つ社の形から平安時代のものともいわれています。
なお、鎮守社で牛頭天王を祀った社は、明治の神仏分離で咸古神社となり、祭神も式内・咸古神社に比定される神八井耳命(かんやいみみのみこと)に変わっています。
龍泉寺 | |
名称 | 龍泉寺/りゅうせんじ |
所在地 | 大阪府富田林市龍泉888 |
関連HP | 富田林市公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄長野線富田林駅から金剛バス東條線・中佐備方面行きで龍泉下車、徒歩15分 |
ドライブで | 阪和自動車道美原南ICから約14km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 龍泉寺 TEL:0721-34-3134 |
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