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旧小西家住宅史料館(旧小西儀助商店)

旧小西家住宅史料館(旧小西儀助商店)

大阪府大阪市中央区の船場にある国の重要文化財の商家をミュージアムに再生したのが旧小西家住宅史料館。もともとは「コニシボンド」で有名な接着剤メーカー、コニシ株式会社の旧社屋(旧小西儀助商店)。現存する建物は、エタノールなど化学薬品の輸入などで得た財力を背景に明治36年に完成したもので、主屋は国の重要文化財。

明治36年に建てられた小西儀助商店の豪華な社屋

寛永年間(1624年〜1645年)、2代将軍・徳川秀忠の命により堺の薬屋「小西屋」の小西吉右衛門が薬種屋を開いたことなどがきっかけに、田辺五兵衛、武田長兵衛、塩野義三郎などが商いを始め、道修町(どしょうまち)は「薬の町」として発展(ただし、小西吉右衛門の系統はその後、逼塞し、現在の小西家とは関係がありません)。
明治3年に小西儀助が「小西屋」として創業したコニシは、創業時は、江戸時代からの薬種問屋、食品の販売を行なっていました。
明治17年に製造を開始した(明治21年に撤退)「アサヒ印ビール」は、アサヒビールのルーツにもなっています。
現存する建物は明治33年から3年を費やして建てたもの。
道修町に面して主屋、伏見通りに面して蔵、堺筋に面して貸家という配置でしたが、明治44年の市電開通に伴って堺筋の貸家は撤去され、道路に、さらに関東大震災後、耐震を考慮して主屋の3階部分を撤去しています。

大正14年に小西儀助商店と社名を変更、昭和51年に現在のコニシに改められています。
塩野義・武田・藤沢・田辺・改源・小林・扶桑・小野と道修町(どしょうまち)界隈には薬種問屋が軒を連ねていますが、往時の雰囲気を今に伝える建物は貴重。
主屋、衣装蔵(交差点に面した北西の蔵)、二階蔵は国の重要文化財、三階蔵は登録有形文化財。

谷崎潤一郎の小説『春琴抄』(しゅんきんしょう/昭和8年)は、大阪道修町の薬種商「鵙屋」が舞台となっていますが、「鵙屋」モデルが小西邸だと推測されています。
大阪大空襲などの戦禍も奇跡的に逃れた、明治の貴重な大店の遺構で、2代目・小西儀助の建築に対するこだわりが、今に残る建物に結実しているのです。

主屋は、往時の姿をそのまま保存した住宅見学ゾーンに加え、店舗として使われていたスペースは展示ゾーンになっています。
見学はWEBでの完全予約制。

旧小西家住宅史料館(旧小西儀助商店)
名称 旧小西家住宅史料館(旧小西儀助商店)/じゅうようぶんかざいきゅうこにしけじゅうたく(きゅうこにしぎすけしょうてん)
所在地 大阪府大阪市中央区道修町1-6-10
関連HP 旧小西家住宅史料館公式ホームページ
電車・バスで 大阪メトロ堺筋線北浜駅から徒歩1分
駐車場 なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ コニシ株式会社総務部 TEL:06-6228-2847
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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