大阪府柏原市玉手町、玉手山公園の北、玉手山安福寺の参道にあるのが、安福寺横穴群(あんぷくじよこあなぐん)。6世紀中頃〜7世紀初め(古墳時代後期)の築造とされる横穴墓で、凝灰岩(ぎょうかいがん)の崖に40基ほどが確認されています。参道にあるので少し不思議な空間になっています。
安福寺の参道に35基の横穴が!
安福寺横穴群は、大和川と石川の合流点、標高100m前後の玉手山丘陵の崖を利用して築かれた横穴墓群(玉手山丘陵には玉手山古墳群と総称される前方後円墳が10基ありますが、古墳時代前期の4世紀に築かれたもので、時代が大きく異なります)。
安福寺横穴群は玉手山丘陵の西斜面を利用していますが、東斜面には玉手山東横穴群があります。
横穴墓は、大阪府内では柏原市内にのみ集中する古墳時代後期〜終末期の墓で、大和川を隔てた北側には高井田横穴群があり、高井田横穴公園として整備されています。
安福寺横穴群は安福寺の参道の北斜面に17基(北群)、南斜面に18基(南群)、70m北西に離れた地点の小谷に5基(西群)の合計40基の横穴が確認され、そのほとんどが大阪府の史跡に指定されています。
特徴的な点として、4基の陶棺(とうかん)の出土があり、亀の甲羅のような模様をもっているため、亀甲型陶棺と呼ばれています。
石川の対岸の道明寺一帯(どうみょうじ=道明寺は土師氏氏寺)を本拠とし、埴輪や土師器の生産に関わった土師氏(はじし)と被葬者に関係があったと推測でき、高井田横穴群では第2支群4号墓の1基しか陶棺が出土していないため、被葬者や造墓集団が異なることも判明。
さらに北群10号横穴には、馬に乗る人物、鳥毛のような飾りを頭に付けてズボンを履く人物、被冠・帯刀し、長袖・長裾の衣服をまとった人物の線刻壁画が描かれていますが、3体の人物がいずれも斜めを向いていることなどから(斜めを向いて立体感のある人物は、高松塚古墳が最初で1世紀も後)、近年では後世のものではないかという意見が主流です。
安福寺横穴群 | |
名称 | 安福寺横穴群/あんぷくじよこあなぐん |
所在地 | 大阪府柏原市玉手町 |
関連HP | 柏原市公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄河内国分駅から徒歩15分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 柏原市文化財課 TEL:072-976-3430/FAX:072-976-3431 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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