大分県玖珠郡九重町、九重九湯(ここのえきゅうとう)の一湯で、飯田高原にある日本秘湯を守る会所属の一軒宿が、寒の地獄温泉(寒の地獄旅館)。嘉永2年(1849年)から木戸銭(入浴料)を取り始めたという古湯で、北側には長者原(ちょうじゃばる)が広がり、すぐ南には同じく一軒宿の星生温泉が建っています。
夏季には水着着用の冷泉の浴場もオープン
泉質は単純硫化水素泉で、泉温は14度という冷泉ですが湧出量は毎分2160リットルと豊富(源泉かけ流し)。
「互久楽湯」と銘打った内湯は檜風呂と、切石風呂があり、日替わりで男女が交替する仕組み。
家族湯(桧湯、岩湯、切石湯)は空室札がかかっている場合に、自由に入浴が可能です。
伝統の冷泉浴場(7月~9月限定)は混浴のため水着や下着を着用して入浴するシステム。
戦前は「なほしてくるぞと勇ましく 誓って家を出たからは 根治(こんじ)させずに帰らりょか 冷たい水の面見る度に 瞼に浮かぶ母の顔」という『冷泉行進曲』という『露営の歌』(「勝ってくるぞと勇ましく」=作詞・籔内喜一郎、作曲・古関裕而、戦意高揚のために『毎日新聞』が歌詞を公募)の替え歌を歌いながら入ったという。
歌詞の中にも「果てなき寒さかみこらえ」、「病気平癒のためならば、何のこれしき冷たかろ」などという歌詞もあるので、過酷な寒さは想像が付きます。
最初の2分ほどは身震いするほど刺激がありますが、含有薬分の関係とのことで、3分ほどで身体も慣れてきます。
隣には薪ストーブをたいた暖房室が用意されており、身体が冷えてきたら身体を拭かないで暖房室で暖をとります。
こうして冷泉と暖房室を往復するのが伝統の入浴法で、皮膚病、リュウマチ、胃腸病、婦人病、そして風邪の予防に効果があるとのこと。
日帰り入浴も可能ですが、できれば滞在して、効果を確認するのがいいでしょう。
夕食は豊後牛をメインにした会席料理で、囲炉裏を囲みながら味わうことができます。
客室はすべて和室、手頃な宿泊料金で、滞在にも向いています。
ちなみに九重九湯は、寒の地獄温泉のほか、宝泉寺温泉、壁湯温泉、川底温泉、竜門温泉、湯坪温泉、筋湯温泉、筌の口温泉、長者原温泉で、すべて九重町内にあります。
寒の地獄温泉(寒の地獄旅館) | |
名称 | 寒の地獄温泉(寒の地獄旅館)/かんのじごくおんせん(かんのじごくりょかん) |
所在地 | 大分県玖珠郡九重町田野257 |
関連HP | 寒の地獄旅館公式ホームページ |
電車・バスで | JR由布院駅から九州産交バスで42分、くじゅう登山口下車、徒歩10分。または、JR豊後中村駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 大分自動車道九重ICから約19km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 寒の地獄旅館 TEL:0973-79-2124/FAX:0973-79-2125 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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