羅臼湖へのトレッキングルート(正式名は「羅臼湖歩道」)への途中、小さなピークに登る道が付けられています。
標高734mのピークが目梨望遥台です。
近年、自然保護の観点から「羅臼湖歩道」一の沼から三の沼までのルートが付け替えられました。実はこの付け替えによって、二の沼脇の雪渓(夏にはお花畑)横の急な登りで、天然公園のような三の沼北側の湿原地帯に出るという「コースのハイライトシーン」(知床ガイド協会羅臼支部・湊謙一代表の話)を通ることがなくなりました。
目指すは734mピーク
これに対して知床ガイド協会羅臼支部・湊謙一代表らが、強く求めたのが通称734mピークへのアクセス路の設置。
「熊が昼寝をするような場所ですが、知床横断道近くにある岩峰で、羅臼岳、天頂山、知西別岳と知床連山を一望に。目を転じれば国後島も根室海峡のかなたに浮かびます」(湊謙一さん)
目梨望遥台から知西別岳方面眺望の眺め。撮影は7月初旬。羅臼湖は残念ながら山陰に ルートの付け替えで、失った「みどころ」もありますが、これまでになかった「大パノラマ」を得ることができるというわけなのです。
入口を見落とすな!
入口は少しわかりにくいかも知れませんが、羅臼湖入口バス停(停車帯)から最初に登場する沼(二の沼)の間です。
標高差にして30~40mの登りですが、かなりしんどい急登ですので、のんびりと登ってください。
開通直後ということもあって、ササやハイマツの根が露出している部分もあるので、足下には注意を。さらに山頂部は巨岩ごろごろの狭いピークですので、子供連れなどはとくに滑落に注意が必要です。
所要時間は羅臼湖入口バス停から往復30分ほど。三の沼往復プランなどに組み合わせるといいでしょう。
注目したいのはその植生。目梨望遥台への分岐はちょうどダケカンバ帯とハイマツ帯のせめぎ合う場所。つまりは森林限界(それ以上高所には木が生育しない場所)なのです。ですから、目梨望遥台の山頂はハイマツの巨木が累々と茂っています。手軽に訪れることのできる世界自然遺産・知床の核心部(コアゾーン)のひとつといえるでしょう。
温泉達人として有名な飯出敏夫さんは実は山の達人でもあり、目梨望遥台の岩場にもスイスイと登る。「そこから記念写真をお願いします」の図
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