「日本の中心」とか、「日本のまんなか」を名乗る場所は数あります。
ですが、国土地理院が「日本の重心」と認める場所は、ただの1ヶ所です。
では、何を根拠にそこが重心といえるのでしょうか?
日本の重心は富山湾の沖にある!
重心を簡単に説明すると、紙に書いた日本地図を海岸線に沿って切り取って、針のようなもので下から支えたとき、ちょうどバランスのとれた部分をいいます。
専門的にいえば「平面と見なした国土の質量中心を計算によって求めたもの」とのこと。
国土地理院では、「日本の東西南北端点・重心点」を発表しているので、それをもとにどこが重心であるのかが特定できます。
ちなみに日本の東西南北端点の経度緯度も平成25年4月1日に発表されています。
すると、どうでしょう、日本の重心は富山県沖の日本海にドボーンと位置してしまいます。
「岐阜県あたりかな」「群馬県じゃない」という大方の予想を大きく裏切って、日本海側なんです。
環日本海交流拠点作りを推進する富山県では、中国、ロシア等の対岸諸国に対し日本の重心が富山県にあることを強調するため、平成6年に、従来の視点を変えて北と南を逆さにし、大陸から日本を見た地図を作成(B1判、350万分の1『環日本海諸国図』)。平成24年に改訂版(B1判、450万分の1『環日本海・東アジア諸国図』)を作成しています。
重心点に最も近い陸地が禄剛崎
この重心点を戦略的に利用しているのは富山県ですが、観光的に利用しているのが石川県です。
「重心点にもっとも近い陸地は能登半島先端の禄剛崎(ろっこうざき)です!」ということから、禄剛崎には「日本列島ここが中心の碑」も立っています。
岬の先端に建つ禄剛埼灯台(石川県珠洲市狼煙町)は、明治16年初点灯という歴史ある灯台。設計は「日本の灯台の父」といわれるリチャード・ヘンリー・ブラントン(Richard Henry Brunton)で、建設はすべて日本人技術者の手で建設さています(設計だけなのでブラントン建設の灯台には含まれていません)。表面の石は能登半島七尾湾の穴水町甲地区から海路運ばれたもの。Aランクの保存灯台で、「日本の灯台50選」にも選定されています。
「海から昇る朝日と、海に沈む夕陽が同じ場所で見ることができると評判です」
と珠洲市観光交流課もPRしています。
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