埼玉県深谷市にある大正15年、佐々木勇之助(ささきゆうのすけ=大正5年、渋沢栄一の後任として第一銀行第2代頭取に就任)の古希を記念して建設された洋風建築が清風亭。渋沢栄一の古希記念で建てられた誠之堂とともに、平成11年に旧地である東京都世田谷区から深谷市に移築されたもの。埼玉県の文化財に指定。
当時流行したスパニッシュ様式を採用
佐々木勇之助は、渋沢栄一に見込まれて第一国立銀行の銀行伝習生に選ばれ、お雇い外国人の英国人アラン・シャンドから直接に銀行簿記を修得、その後、支配人、取締役総支配人に、大正5年には渋沢の後任として第一銀行第2代頭取に就任しています。
墓所も谷中霊園渋沢家墓地に隣接するほど、まさに渋沢栄一の片腕として活躍。
こうした経緯もあって、取り壊しの危機にあった誠之堂(国の重要文化財)とともに、東京都世田谷区瀬田(第一銀行の保養・スポーツ施設「清和園」に建っていました)から渋沢栄一の故郷・深谷市に移築復元されたもの。
清風亭の設計者は、第一銀行本店(現存せず)、第一銀行函館支店(現・函館市文学館)、第一銀行横浜支店(現・横浜アイランドタワ)などをも手掛けた銀行建築の名手、西村好時(にしむらよしとき)。
関東大震災の経験を踏まえ、鉄筋コンクリート造りで、当時流行していたアメリカの影響を受けたスパニッシュ様式を採用し、外壁は、人造石掻落とし仕上げの白壁で、要所には流行していたスクラッチタイルを使っています。
建築資金は、誠之堂と同じくすべて第一銀行の行員たちの寄付によるもの。
近代日本の経済界の立役者である渋沢栄一、佐々木勇之助のゆかりの建築で、清和園での位置関係とほぼ同様に移築され、貴重な近代化遺産になっています。
清風亭 | |
名称 | 清風亭/せいふうてい |
所在地 | 埼玉県深谷市起会110-1 |
関連HP | 深谷市公式ホームページ |
電車・バスで | JR高崎線深谷駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約12km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 深谷市文化振興課 TEL:048-577-4501/FAX:048-574-5861 |
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