埼玉県さいたま市緑区、芝川第一調整池の北側、芝川沿いにあるのが、浦和くらしの博物館民家園。さいたま市内に残る伝統的な建造物7棟を移築復元していますが、そのなかの1棟が旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫。大正8年築の大谷石と漆喰(しっくい)の土蔵造りの石蔵で、国の登録有形文化財に指定。
大正8年に干瓢問屋の倉庫として建てられた石蔵を移築
大正8年に栃木県小山市内の干瓢問屋(かんぴょうとんや)の倉庫として建築され、昭和31年に浦和市農業協同組合三室支所(現・さいたま農業協同組合三室支店)に移築され、政府指定米穀倉庫として使用された大規模な石蔵。
平成6年度に浦和くらしの博物館民家園に移築保存されています。
間口(桁行)27.27m、奥行き(梁間)7.27m、高さ9.0mという大きな石蔵は、トラス小屋組み(三角形に組んだトラスによって屋根の荷重を分散して受ける構造=洋小屋)、寄棟造り、平瓦を葺いた瓦葺き屋根という和洋折衷の建物。
現在は浦和くらしの博物館の展示棟として常設展示やミニ展示が行なわれています。
大谷石を使った大型の石造倉庫は、見沼区、緑区など、さいたま市内に現存していますが、現存最古のものが旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫です。
ちなみに、干瓢は「ふくべ」と呼ばれる夕顔の実を薄く細長く剥いて乾燥させたもの。
干瓢農家には、乾燥させるための広い広場と、乾燥後に保管する石蔵があり、それが干瓢生産地の文化的景観になっています。
農家の、石蔵から干瓢問屋に集められた干瓢を、出荷までの間保管するための倉庫として、大正8年に建てられたもので、小山市に近い現・宇都宮市で生産される大谷石を土台部分に使っています。
干瓢の産地である下野市、小山市にもこのように立派な干瓢問屋の石蔵は現存していません。
浦和くらしの博物館民家園・旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫 | |
名称 | 浦和くらしの博物館民家園・旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫/うらわくらしのはくぶつかんみんかえん・きゅううらわしのうぎょうきょうどうくみあいみむろししょそうこ |
所在地 | 埼玉県さいたま市緑区下山口新田1179-1 |
関連HP | さいたま市公式ホームページ |
電車・バスで | JR東浦和駅から徒歩25分。JR浦和駅から国際興業バス東川口駅北口行き、大崎園芸植物園行き、大門経由浦和美園駅行きで念仏橋下車 |
ドライブで | 東北自動車道浦和ICから約2km |
駐車場 | 80台/無料 |
問い合わせ | 浦和くらしの博物館民家園 TEL:048-878-5025/FAX:048-878-5028 |
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