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橋立鍾乳洞

橋立鍾乳洞

埼玉県秩父市上影森、石灰岩採掘が今も続く武甲山の西端に位置する石灰岩の大岩壁の下に入口のある鍾乳洞が、橋立鍾乳洞。隣接して秩父三十四所観音霊場・札所28番の橋立堂が建ち、岩壁の基部は、縄文時代草創期から古墳時代の遺物が出土する橋立岩陰遺跡があります。

観音霊場だったため鍾乳石には仏教的な名前が!

この巨岩の基部に鍾乳洞が

秩父の巡礼者たちが「胎内くぐりの霊場」と呼んだ札所28番・橋立堂。
江戸時代に流行した広重の描いた『観音霊験記』にも村人を困らせた悪竜が、洞内の石になったと記され、橋立堂と鍾乳洞が合わせて霊域となっていたことがよくわかります。

橋立堂に迫る巨大な石灰岩の岩壁は、橋立堂の奥の院とされるもので、高さは75mもあります。
2億年前、5000km以上も離れた南海の火山島周囲に成長したサンゴ礁が、海洋プレートとともに移動し、海溝で大陸プレートに押し付けられ、隆起してカルスト地形を形成。
これが武甲山一帯の石灰岩なのです。

埼玉県内唯一の観光洞ともいえる橋立鍾乳洞は、国内でも珍しい縦穴型の鍾乳洞で、石灰岩の割れ目に水が浸透、徐々に広がって溶けてできた空洞が鍾乳洞(石灰洞)ということに。
総延長140mの見学路に、高低差が30mもあるのは縦穴だから。

洞内には鍾乳石や石筍(せきじゅん)、石柱がありますが、観音霊場だったために大日如来、帝釈天、五百羅漢、「弘法の後ろ姿」、「下り龍の頭」など、仏教的な呼び名が付けられています。
切り立った岩壁の下がえぐられているのは、橋立川の浸食で。

地質学に造詣が深い宮沢賢治も、盛岡高等農林学校の地質調査旅行で秩父を訪れ(宮沢賢治20歳の時)、新第三紀の地層の大露頭・ようばけ、皆本沢・中生代白亜紀の地層などとともに、大正5年9月6日、三峯神社(三峯神社の宿坊に宿泊)から馬車で秩父市街(秩父大宮)に向かう途中(夜は「角屋」に宿泊)、影森村の橋立鍾乳洞に立ち寄ったとされています。

「札所28番橋立堂の石灰岩体と橋立鍾乳洞」として秩父ジオパークのジオサイトにもなっています。

『観音霊験記 秩父順礼』に描かれた橋立堂と橋立鍾乳洞
橋立鍾乳洞
名称 橋立鍾乳洞/はしだてしょうにゅうどう
所在地 埼玉県秩父市上影森708
関連HP 秩父観光協会公式ホームページ
電車・バスで 秩父鉄道浦山口駅から徒歩15分
ドライブで 関越自動車道花園ICから約14km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 橋立鍾乳洞 TEL:0494-24-5399/FAX:0494-23-3429
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

橋立堂(秩父三十四所観音霊場・札所28番)

埼玉県秩父市上影森、秩父鉄道・浦山口駅から徒歩15分の地にある石灰岩の大岩壁の下に建つのが、曹洞宗の寺、橋立堂(秩父三十四所観音霊場・札所28番)。石段を上がった先、そそり立つ大岩壁(高さ75m)の基部に三間四面、観音堂があり、観音堂の横に

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