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【東京・名古屋発】日帰り青春18きっぷの旅 海道一の絶景・薩埵峠へ!

薩埵峠

毎年、春休み、夏休み、冬休みに合わせて発売される青春18きっぷ。普通列車に自由席に1日乗り放題なので、日帰り旅行に利用するのに絶好。名古屋・東京圏からなら、ぜひおすすめしたいのが静岡市の薩埵峠(さったとうげ/静岡市清水区)日帰りプラン。旧東海道からは富士山の絶景が待っています。

東京〜由比、名古屋〜由比は、片道分ですでに浮く計算

歌川広重の『東海道五拾三次 由井』(保永堂版)に描かれた薩埵峠

歌川広重の『東海道五拾三次 由井』(保永堂版)で描かれた由比宿(ゆいしゅく)は、実はこの薩埵峠。
南アルプスから派生した山並みが深海の駿河湾へと没する場所が海に迫る断崖となった地。
江戸と京を結ぶ東海道では、由比宿と興津宿(おきつしゅく)の間にある難所でした。

現在では、断崖下の波押し寄せる海岸線に大工事が繰り返され、東海道本線、国道1号線、東名高速道路(海上を走っています)が通っていますが、由比宿側からの旧東海道が農道として残され、薩埵峠の展望台まで続いています。

というわけでコースの起点は、由比宿の玄関口、東海道線由比駅。
東京駅〜由比駅は3時間ほどの電車旅。
上手に乗り継げば熱海駅での乗り継ぎ1回で、由比駅まで到達できます。
Suicaを使えば乗車券は2640円で、「青春18きっぷ」1回利用分を片道でクリアできるので、帰りは実質タダということに。

名古屋駅〜由比駅は全区間がJR東海エリアですが、直通する列車がなく、豊橋、浜松、静岡で乗り継ぐということになり、3時間40分ほど必要です。
通常の乗車券はTOICAを使って片道3740円なので、こちらも片道分で十分に元をとっています。

ハイキングの起点となる東海道本線・由比駅

由比駅を起点に薩埵峠、さらに興津駅(興津宿)へ

由比本陣公園に寄り道を

由比駅から薩埵峠は、駅前の旧東海道を京に上る方向、つまりは興津宿側へと歩きますが、なるべくなら東京・名古屋を早立ちして、由比宿を見学していきましょう。
由比宿の本陣跡は、由比本陣公園として整備され、「静岡市東海道広重美術館」が建っています。
エントランスホールには、浮世絵版画多色摺りの「版画摺り体験コーナー」があるので、ぜひ多色刷りに挑戦を。
「青春18きっぷ」で浮く分を入館料に回してもお釣りがきます。
由比本陣公園へは由比駅からのんびり歩いて、往復1時間ほど必要です。

由比駅から薩埵峠は登り口にある倉沢・寺尾の家並みまで徒歩30分。
ここから峠越えの道(とはいえ舗装された農道)となり、展望台まで25分ほどの頑張りで到着します。
休憩無しで歩けば、薩埵峠展望台までは1時間もかかりませんが、途中で東海道名主の館小池邸(寺尾村の名主の家で入館無料)を見学するなど、のんびりと街道探勝するのがおすすめです。

倉沢の旧東海道沿いには人気の食事処「くらさわや」があり、ランチに由比特産の桜えび料理、鮮魚料理を味わうことができます。
それがお目当ての人がいるほどで、混むのが難点。
月曜(祝日の場合は翌日)が定休ですが、土休日を避けることができる人は、月曜以外の平日に歩くのが賢明ということに。

薩埵峠展望台でUターンする人も多いのですが、それでは芸がないので、ひとつ先の興津宿・興津駅まで歩きましょう。
40分〜50分ほどで興津駅まで歩くことができます。

有名な清見寺は、興津駅から往復30分ほど。
時間と体力が許せば、清見寺まで足を伸ばすのもいいでしょう(ただし閉門時間に注意が必要です)。

薩埵峠で富士山を眺めるなら、快晴の午前中が鉄則。
昼近くになると三島側から雲が湧き(夏場はかなり早い時間帯から)、勇姿が隠れてしまいます。
春休み、冬休みなどが狙い目です(工場が休む時期、日はとくに狙い目)。

薩埵峠展望台、まさに海道一の絶景! 夏場は午前中早めでないと富士山は雲の中に

薩埵峠ハイキングコースタイム

由比駅〜(徒歩25分)〜由比本陣公園・静岡市東海道広重美術館〜〜(徒歩25分)〜由比駅〜(徒歩10分)〜東海道名主の館小池邸〜(徒歩10分)〜くらさわや(昼食)〜(徒歩30分)〜薩埵峠展望台〜(薩埵中道利用・徒歩25分)〜興津川〜(徒歩20分)〜興津駅〜(徒歩15分)〜清見寺〜(徒歩15分)〜興津駅

各施設は月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始休なのでご注意を

東海道名主の館小池邸では、長年名主をつとめた小池家の主屋を見学可能
【東京・名古屋発】日帰り青春18きっぷの旅 海道一の絶景・薩埵峠へ!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

薩埵峠

江戸時代の東海道で「海道(街道)一の絶景」といわれた景勝地が由比(由井)宿(ゆいじゅく/現・静岡市清水区由比)と興津宿(おきつじゅく/現・興津本町)の中間にある薩埵峠(さったとうげ)。東海道本線由比駅から南へと旧東海道(狭い農道)を歩けば4

由比本陣公園

江戸時代、東海道の宿場町として栄えた由比(現・静岡市清水区由比)。往時には、本陣、脇本陣を中心に、旅籠(はたご)が建ち並んでいたという。東海道筋のなかで由比は、本陣の敷地が唯一当時のままに残されている地。残念ながら本陣の遺構は残されていませ

静岡市東海道広重美術館

静岡県静岡市清⽔区由⽐、富士山を望む絶景の薩埵峠(さったとうげ)を西に控える東海道由比宿の本陣跡、由比本陣公園内に建つのが、静岡市東海道広重美術館。平成6年、日本で初の歌川広重(安藤広重)の作品を展示する美術館として開館した美術館で、メイン

東海道名主の館小池邸

静岡県静岡市清水区由比寺尾、東海道、薩埵峠(さったとうげ)の由比宿側の登り口、寺尾集落にあるのが、東海道名主の館小池邸(とうかいどうなぬしのやかたこいけてい)。由比地区で長年名主を務めた小池家の現存する主屋は、明治時代の建物で、国の登録有形

清見寺

静岡市清水区の興津(おきつ)、清水港や三保松原を望む高台にあり、「興津(おきつ)の清見寺」として知られる臨済宗の名刹。その歴史は古く、創建は7世紀頃と伝えられています。天文8年(1539年)、今川義元の軍師・大原雪斉により、現在の臨済宗に転

 

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