瀬戸内海式気候(瀬戸内気候区)、瀬戸内海航路、瀬戸内海環境保全特別措置法などいう名もある瀬戸内海。世界有数の閉鎖性海域ともいわれる瀬戸内海ですが、そもそもどこからどこまでが瀬戸内海なのでしょう。本州、四国、九州に囲まれた海域で、海岸線は全長6760km、なんと地球の半径とほぼ同じ長さがあります。
「瀬戸内海環境保全特別措置法」に定められる瀬戸内海とは!?
- 和歌山県・紀伊日の御岬灯台から徳島県・伊島及び前島を経て蒲生田岬に至る直線
=この北側が淡路島にかけての紀伊水道(瀬戸内海)、南側が太平洋ということに - 愛媛県・高茂崎(高茂埼灯台)から大分県・鶴見崎(鶴御埼灯台)に至る直線及び陸岸によって囲まれた海面
=北側が豊後水道、その先が伊予灘で(ともに瀬戸内海)、南側が太平洋に - 山口県・特牛灯台から山口県・角島通瀬崎に至る直線、通瀬崎から福岡県・妙見埼灯台に至る直線及び陸岸によって囲まれた海面山
=関門海峡で、東側が響灘、その先に周防灘(いずれも瀬戸内海)で、西側が玄界灘(日本海)
「瀬戸内海環境保全特別措置法」には上記のように定められ、豊後水道、響灘の海域も瀬戸内海だと定義されています。
細かくいえば、紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸、備後灘、燧灘、安芸灘、広島湾、豊後水道、伊予灘、周防灘、響灘が瀬戸内海ということに。
英訳だと、Seto Inland Seaとなります。
東西はおよそ450km、南北は最短で15km、最長で55km、東西に細長い海域です。
2万1827平方キロと、広島県の面積の2倍ほどの広さがあり、最大水深は38mとなっています。
環境省は、紀伊水道と豊後水道で太平洋に、関門海峡で日本海に開き、領域内には大小約700 の島々が存在します、と簡潔に説明しています。
湾内最大水深は105m、平均水深は38mとなっています。
四国山地、中国山地、紀伊山地、九州山地に囲まれ、湿った太平洋からの雨雲、冬の日本海からの雪雲、寒気を遮るために、温暖で晴天の多いという暮らしやすいエリアとなっています。
これが俗にいう瀬戸内海式気候で、気象学的には瀬戸内気候区と定義されています。
平均気温約16度、年間平均降水量1000~1600mmで、瀬戸内海を取り囲む山地の年間平均降水量(2000~3000mm)と比べると半分ほどの雨量となっています(とくに冬季は晴天が目立ちます)。
同じ閉鎖性海域でも地中海は干満がほとんどありませんが、瀬戸内海は干満の差も大きく、しかも潮流の速さでも世界有数。
しかも潮流は単純に西から東へとか、東から西へと流れるのではなく、時間によっても変化しています。
しかも鞆の浦沖、芸予諸島の魚島(うおしま)あたりが分水嶺(分潮嶺)となり、東西で流れが異なるという複雑さです。
源平合戦でも潮の流れを味方につけることがいかに大切だったか、戦国時代には水先案内人として村上水軍が活躍した理由も、よくわかります。
瀬戸内海はどこから、どこまで!? | |
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