佐賀県神埼市千代田町高志地区にある古社、高志神社(たかしじんじゃ)。創建は不詳ですが、院政を行なった上皇を支えた神埼荘(かんざきのしょう=皇室領荘園)の開発に深く関わった、いわゆる「神埼荘三所大明神」のひとつで、隣接する櫛田神社、白角折(おしどり)神社、高志神社が、三所一体とされています。
神埼荘三所大明神の一社
景行天皇12年の筑紫巡幸の際、主神たる素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られたとの伝承が残されています。その後、稲田姫命、日本武尊、さらに明治4年には菅原道真も合祀されています。
高志の地は、馬場川と田手川の合流点にあたり、北には蔵戸津があるなど、筑後川水運の要衝に位置していますが、「神埼荘三所大明神」となる他の2社もそれぞれ水路の入口や低湿地の中心地など、荘園の要地に配されています。
つまり、水郷地帯の宿命ともいえる水難から土地を守り、豊かな実りを期待する意味を込めての鎮守、守護神と推察されるのです。
現在往時を偲ばせるものはありませんが、周辺には「神楽田篭」(かぐらだこもり)、「流鏑馬篭」(やぶさめこもり)など、神事を想定させる地名も残されています。
毎年10月12日の例大祭では能舞台が作られ、佐賀県の重要無形民俗文化財に指定の『高志狂言』(登録名は『高志の狂言』)が奉納されています。
ちなみに、「高志」は、奈良時代の僧・行基の俗姓と同じ名。
しかも行基は百済から渡来した王仁(わに)の子孫ともいわれています。
高志神社境内は弥生時代の集落、墓地、貝塚の跡(弥生時代前期末~中期中頃の甕棺墓38基などが確認される高志神社遺跡)なので、吉野ヶ里遺跡の弥生人を含め、鰐神社(王仁神社)に祀られる王仁など、朝鮮半島からの帰化人の里とも推測できるのです。
高志神社 | |
名称 | 高志神社/たかしじんじゃ |
所在地 | 佐賀県神埼市千代田町下板1229 |
関連HP | 神埼市観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 長崎自動車道東脊振ICから10km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 神埼市観光協会 TEL:0952-37-9882 |
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