サイトアイコン ニッポン旅マガジン

花沢の里(焼津市花沢伝統的建造物群保存地区)

花沢の里(焼津市花沢伝統的建造物群保存地区)

静岡県焼津市北部、高草山(標高501.1m)の東側、東名自動車道の日本坂トンネルの近くにある隠れ里が花沢の里で、焼津市花沢伝統的建造物群保存地区に選定。江戸末期から明治初期に建てられた古い民家も並び、脇には花沢川が流れ、集炭焼き小屋や水車が復元。長屋門造りの家並みが軒を連ねる絵になる風景が展開。

静岡県で最初の重伝建に選定された昔町

大崩海岸の背後にある日本坂は、『万葉集』(巻二 284)にも春日蔵老(かすがのくらのおゆ/春日蔵人=奈良・春日にあった朝廷の倉庫の業務に従事した職業)が「焼津辺(やきつべ)に我行きしかば駿河なる阿部の市道に逢いし児らはも」と詠んだ最も古い時代の東海道(やきつべの小径)。
焼津辺(やきつべ)とは焼津市のことで、やきつべを歩いた際に、駿河の阿倍の市近くの道で出逢った娘を思い出したという、かすかな恋心を感じる歌です。

奈良時代には、現在の焼津市小川から日本坂峠を越えて静岡市葵区横田町に至るルートが東西を結ぶ幹線ルートで、北九州などの防衛につくのを防人(さきもり)もこの「やきつべの道」をたどっています。
静岡市側の小坂(ここも味わいのある集落だが)からハイキングコースになった旧道を使い、日本坂峠を越えて焼津側に下ると、花沢の里。
花沢川に沿って蛇行する「やきつべの道」沿いに風情ある家並みが続いています。
南北500m、東西50mの集落で、明治以降は茶栽培、養蚕、昭和になってミカン栽培で栄え、「花沢に嫁げば一生安泰」といわれ、昭和20代の交易ルートだった時代までは花沢三十三軒と呼ばれるほどに栄えましたが、現在は二十数軒となっています。
法華寺の仁王門は元禄16年(1703年)築。

花沢の里(19.5ha)は、平成26年、静岡県で初の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に選定されています。
車の場合は、「花沢の里観光駐車場」に入れ(集落内は車のすれ違いが困難なので、車での進入は不可)、法華寺まで徒歩10分。
保存地区は一般の生活の場所なので、無断で敷地内に入らないなど、マナーを守って見学を。

花沢の里(焼津市花沢伝統的建造物群保存地区)
名称 花沢の里(焼津市花沢伝統的建造物群保存地区)/はなさわのさと(やいづしはなざわでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく)
所在地 静岡県焼津市花沢
関連HP 焼津市公式ホームページ
電車・バスで JR焼津駅からタクシーで10分
ドライブで 東名高速道路焼津ICから約5.5km、新東名高速道路藤枝岡部ICから約10km
駐車場 花沢の里観光駐車場(50台/無料)
問い合わせ 焼津市経済部観光交流課 TEL:054-626-2155/FAX:054-626-2188
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了