静岡県伊豆市、天城湯ヶ島温泉にあるトイレの神様として名高いのが、明徳寺。南北朝時代末期の明徳年間(1390年~1393年)に創建した曹洞宗の古刹で、東司(とうす=便所)の守護神である烏芻沙摩(うすさま)明王を祀ることから、下(しも)の健康を祈願する人々の参拝が多いことで有名です。
「おさすり」、「おまたぎ」を体験!
烏芻沙摩明王(うすさまみょうおう/烏枢沙摩明王)は、密教における明王のひとりで、「この世の一切の汚れを焼き尽くす」という霊力があることから、便所の清めとして崇められてきました。
曹洞宗の寺の東司には、今も祀られることが多く、静岡県内では可睡斎瑞龍閣の東司に烏枢沙摩明王像が祀られています。
曹洞宗では、東司は、浴堂(風呂)、坐禅を行なう僧堂とともに、私語が禁じられた「三黙道場」(さんもくどうじょう)のひとつ。
東司で用を足すことも、心身を清める修行の場という位置づけなのです。
明徳寺では、「おまたぎ」、自然木の「おさすり」のあるトイレで手を合わせるのが習わし。
雪隠(せっちん=便器)をまたいで(「おまたぎ」)、失禁など下の病気にならないように祈り、天然の木や石で出来た男性器、女性器のシンボルをさすり(「おさすり」)、年をとっても下のお世話にならないように、健康を祈願するもの。
御朱印入りの下着や肌着の授与品も用意されています。
毎年8月29日に伊豆三大奇祭(尻つみ祭り、どんつく祭り、東司祭)のひとつに数えられる、『東司祭』も行なわれていますが、「下」のお世話にならない極楽往生を祈念する全国でも珍しい祭礼。
シンガー・ソングライター植村花菜(うえむらかな)は、自身の曲『トイレの神様』(平成22年3月10日発売)のヒット祈願に明徳寺を訪れ、絵馬を奉納しています。
ちなみに明徳寺の本尊は、拈華釈迦牟尼仏(ねんげしゃかむにぶつ)ですが、今では「おさすり」、「おまたぎ」とともに烏芻沙摩明王の方が有名に。
明徳寺 | |
名称 | 明徳寺/みょうとくじ |
所在地 | 静岡県伊豆市市山234 |
関連HP | 伊豆市公式ホームページ |
電車・バスで | 伊豆箱根鉄道修善寺駅から東海バス河津駅行きで28分、市山下車、徒歩6分 |
ドライブで | 東名高速道路沼津IC、新東名高速道路長泉沼津ICから約39km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 明徳寺 TEL:0558-85-0144 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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