サイトアイコン ニッポン旅マガジン

横須賀城

横須賀城

静岡県掛川市、御前崎から西に続く海岸線の奥、かつての海岸段丘の上に築かれた城が、横須賀城。高天神城(たかてんじんじょう)が高天神城の戦いで、武田勝頼に奪われた後、徳川家康が城攻めの拠点として築いたのが、横須賀城で、城跡は国の史跡に指定、そして続日本100名城に選定されています。

徳川家康が高天神城攻めの拠点に築いた城で、横須賀藩の藩庁

天正6年(1578年)、徳川家康は家臣・大須賀康高(おおすがやすたか)に命じて横須賀城を築城。
大須賀市街の西の丘陵地帯にあり、山城から平城へと移る、中間期の平山城です。

天正9年(1581年)の武田勝頼方の籠城する高天神城を奪還した後、荒廃した高天神城を廃城とし、以降は横須賀城が遠州南部の拠点として機能しています。

江戸に徳川幕府が開かれて以降、明治維新まで横須賀藩の藩庁として20代288年続いた歴史ある城ですが、残念ながら城内には建物などの遺構は残されていませんが、美しい石垣、堀、土塁などが現存。
本丸跡一帯が史跡公園になっており、自由に入城、散策を楽しむことができます。

横須賀城は、城の東西2ヶ所に大手門があるというユニークな構造から「両頭の城」とも。
石垣には天竜川の丸い河原石を用いた玉石積み(大きさの揃った丸みのある自然石を積み上げた石垣)というのも横須賀城ならではの特徴です。

現在では市街地に囲まれていますが、近世半ばまでは城の手前まで海が迫り、入江、沼、深田に囲まれた天然の要害だったとか。
入江には横須賀湊があり、当時ここに流れ出していた逆川(さかがわ)を船で上ると掛川城の外堀に出たことから、2つの城は舟運で結ばれていたと推測できます。

藩政時代には、海上輸送と浜街道を抑える重要な要衝だったため、松平(大須賀)氏、松平(能見)氏、井上氏、本多氏、西尾氏と普代の大名が藩主に。
東海道を睨んだ掛川城とともに重要な位置づけの城だったことがよくわかります。

袋井市の遠州三山の油山寺(ゆさんじ)には旧御殿の一部が幕末の安政6年(1859年)に移築され書院として使われているほか(静岡県の有形文化財)、初代横須賀城主・大須賀康高が創建した撰要寺(せんようじ/掛川市)には、大須賀家の45基が並ぶ墓塔群のほか、横須賀城の二の丸不開門(あかずのもん/明治初期の廃城時に移築)が現存しています。

横須賀城の東側にはレトロな家並みの残る横須賀の町(城下町)があるので、あわせて見学を。
昭和初期に建築された古き良き木造建築の「割烹旅館 八百甚」(かっぽうりょかん やおじん/創業は幕末)も営業しています。

横須賀城
名称 横須賀城/よこすかじょう
所在地 静岡県掛川市山崎
関連HP 掛川市公式ホームページ
電車・バスで JR袋井駅から静鉄ジャストライン(大東支所・横須賀車庫前行き)で20分、七軒町下車、徒歩10分
ドライブで 東名高速道路袋井ICから約12km、掛川ICから約13km、菊川ICから約16km
駐車場 横須賀城公園駐車場(15台/無料)
問い合わせ 掛川市商工観光課 TEL:0537-21-1149
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

掛川城

東海道の要衝を守る名城、掛川城。現在の天守は、平成6年、日本で初めて木造で復元された復元天守ですが、往時の様子を忠実に再現しています。近世城郭を築いたのは、平成18年のNHK大河ドラマ『功名が辻』の主人公・山内一豊。天下分け目の関ヶ原合戦前

高天神城

静岡県掛川市、小笠山から南東にのびる尾根の先端、標高132mの鶴翁山にある中世の山城で国の史跡、そして続日本100名城に選定されるのが、高天神城(たかてんじんじょう)。戦国時代には武田信玄、武田勝頼と徳川家康の攻防の地となり、二度にわたって

高天神城の戦い

静岡県掛川市の高天神城を主戦場に、遠州進出し、上洛を狙う武田信玄、武田勝頼と徳川家康(その背後に織田信長)との間での二度に渡る激戦が、高天神城の戦い。高天神城を攻略するために、武田勝頼は諏訪原城、徳川家康が横須賀城を築くというほど重要な立地

清水邸庭園

静岡県掛川市、江戸時代・元禄年間(1688年〜1704年)に廻船業を営み、遠州・横須賀藩の御用達を務めるほど繁栄した清水家。その清水家の回遊式庭園を再現したのが、清水邸庭園。湧水を取り入れた池を中心とした庭園は、江戸時代中期の名園です。清水

三熊野神社

静岡県掛川市、横須賀藩の城下町で、「昔町」と呼ぶのにピッタリの横須賀の鎮守社が、三熊野神社(みくまのじんじゃ)。社伝によれば、大宝元年(701年)、文武天皇の皇后が聖武天皇の出産の折、紀州熊野権現の本宮を遷して建立したという古社で、神仏習合

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了