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高天神城

高天神城

静岡県掛川市、小笠山から南東にのびる尾根の先端、標高132mの鶴翁山にある中世の山城で国の史跡、そして続日本100名城に選定されるのが、高天神城(たかてんじんじょう)。戦国時代には武田信玄、武田勝頼と徳川家康の攻防の地となり、二度にわたって高天神城の戦いが繰り広げられています。

「難攻不落の名城」も徳川家康の兵糧攻めで落城

標高132m(比高100m)ほどの丘陵地に16世紀初頭、今川氏の詰の城として築かれたのが始まり(今川氏が守護大名から戦国大名に成長する過程で築かれたとする説が有力)。
桶狭間の戦いで織田信長に今川義元が討たれ、武田信玄の駿河侵攻によって今川家が滅亡した後、徳川家の家臣となった小笠原氏興(おがさわらうじおき)、小笠原信興(おがさわらのぶおき)父子の居城となり、対・武田信玄の最前線として機能しています。

甲斐を拠点とし、駿河(静岡県東部)を手にした武田信玄が西進し、上洛を果たすためには、遠州(静岡県西部)を制する必要がありました。
そのため、西進・上洛の途中に位置し(高天神城は、北を通る東海道を牽制できる立地)、中世には堅固な山城として名を馳せた高天神城は、たびたび決戦の地となったのです。

周囲に下小笠川など川が流れ、天然の堀を形成、尾根は三方が断崖絶壁、一方が尾根続きという天然の要害です。
そんな要害に築かれた高天神城の城跡は、堀、土塁、さらには本丸、御前曲輪(本丸の南東を守護)、西の丸(高天神城西峰の主郭、武田氏時代に岡部丹波守長教が守護したことで丹波曲輪とも)、的場曲輪(本丸の道下に位置し西側を守護)、井戸曲輪(東峰と西峰を結ぶ鞍部に位置し、重要な井戸のあった場所)、井楼曲輪(せいろうくるわ/西の丸から北へ突き出た半島状の先端に位置)、三の丸など曲輪の形状がわかるほどに残された貴重な存在で、城跡ハイキングにも絶好の地になっています。
国の史跡に指定された理由も「主要郭が遺存し、中世名城としての遺構に秀でたものがある」から。

南側が追手(大手)で、北側が搦手(からめて=裏口)。
追手門(大手門)側に南口駐車場(10台)、搦手門側に北口駐車場(100台)があり、山城だけにハイキングのように城跡を探勝するコースが設定されています。
北口駐車場〜三日月井戸〜大河内石窟〜本丸は所要30分。
北口駐車場から二の丸、本丸、三の丸などを一巡すると1時間30分ほど必要です。

南側の追手門から東側の段丘面には武家屋敷が並んでいました。
西の丸(丹波曲輪)には高天神城を守護する高天神社が鎮座、搦手からの登城道が参道になっています。
徳川の家臣・大河内正局が、落城後も武田勝頼に屈しなかったため、幽閉されたという石窟も現存。

戦前にコンクリート製の模造天守が建てられたことがありましたが、戦国時代の城なので、天守はありません(模造天守は落雷で焼失し、土台のみ現存)。

第二次高天神城の戦いで、徳川家康が城を奪回後は、廃城となり、高天神攻めのために築かれた横須賀城が、この地域の政治的中心に代わっています。

高天神城
名称 高天神城/たかてんじんじょう
所在地 静岡県掛川市上土方嶺向・下土方
関連HP 掛川市公式ホームページ
電車・バスで JR掛川駅からタクシーで30分
ドライブで 東名高速道路菊川ICから約8.5km
駐車場 北口駐車場(100台/無料)、南口駐車場(10台/無料)
問い合わせ 掛川市商工観光課 TEL:0537-21-1149
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

高天神城の戦い

静岡県掛川市の高天神城を主戦場に、遠州進出し、上洛を狙う武田信玄、武田勝頼と徳川家康(その背後に織田信長)との間での二度に渡る激戦が、高天神城の戦い。高天神城を攻略するために、武田勝頼は諏訪原城、徳川家康が横須賀城を築くというほど重要な立地

横須賀城

静岡県掛川市、御前崎から西に続く海岸線の奥、かつての海岸段丘の上に築かれた城が、横須賀城。高天神城(たかてんじんじょう)が高天神城の戦いで、武田勝頼に奪われた後、徳川家康が城攻めの拠点として築いたのが、横須賀城で、城跡は国の史跡に指定、そし

諏訪原城

静岡県島田市金谷、牧之原台地の北端部、標高212m〜220mの台地に築かれた戦国時代の山城が、諏訪原城(すわはらじょう)。高天神城(現・掛川市)攻略を目指す武田勝頼が、天正元年(1573年)、家臣・馬場信春(ばばのぶはる)に命じて築城した城

静岡県七大名城とは!?

旧国では県の西部が遠州、東部が駿河と伊豆に分かれる静岡県。戦国時代には今川氏の領有ですが、今川家滅亡後に徳川・武田の激戦地に。日本100名城の駿府城、掛川城、山中城、そして続日本100名城選定の興国寺城、諏訪原城、高天神城、浜松城の合計7城

 

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