栃木県日光市、日光山内の北辺、日光史跡探勝路(滝尾神社コース/滝尾道)沿いにあるのが日光山輪王寺・開山堂。弘仁8年(817年)に遷化(せんげ=高僧の死去)した日光開山の祖・勝道上人(しょうどうしょうにん)を茶毘にしたのが仏岩谷。勝道上人の霊を祀るために仏岩谷に建立されたのが開山堂です。
勝道上人入寂の地に建つお堂
現存する唐様の重層宝形造り、総弁柄朱漆塗りの建物は、享保5年(1720年)頃の造営で、国の重要文化財、そして世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産になっています。
間口、奥行きとも6間5尺(12.3m)の堂内(なんと石畳です/通常は非公開)には、室町時代の作といわれる本尊・地蔵菩薩像(勝道上人の本地仏)が祀られ、須弥壇上の厨子の中に錫杖(しゃくじょう=先に錫製の輪が付いている杖で、山岳修行の際にこれを揺すって音を立て獣、猛禽や毒虫などの害から身を守りました)を手にした勝道上人の座像が安置され、勝道上人の十大弟子の木像も本尊の左右に納められています。
掲げられた扁額の「開先院」(かいせんいん)という文字は、日光山輪王寺第59世・公遵入道親王(こうじゅんにゅうどうしんのう/中御門天皇の第二皇子)の筆。
開山堂の裏には、勝道上人の墓所(五輪塔)もあり、さらにその裏側の切り立った断崖は、仏岩と呼ばれ六部天を安置しています。
勝道上人は弘仁8年3月1日(817年3月21日)に、この仏岩の地を離怖畏所(りふいしょ/離怖畏=怖れや不安から離れること)と称し、弟子たちに囲まれて83歳で入寂。
訪れる人の少ないこの岩窟は、女峰山・赤薙山の溶岩でできており、神秘的な霊地となっているのです。
勝道上人の命日にあたる4月1日(旧暦3月1日)には、この開山堂で御祥忌法要『開山会』が執り行なわれています。
四本龍寺から開山堂へと向かう道は、日光では開山の時代からの古道です。
取材協力/日光山輪王寺
日光山輪王寺・開山堂 | |
名称 | 日光山輪王寺・開山堂/にっこうさんりんのうじ・かいざんどう |
所在地 | 栃木県日光市山内2300 |
関連HP | 日光山輪王寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東武日光駅から東武バス世界遺産めぐりでホテル清晃苑前下車、徒歩10分 |
ドライブで | 日光宇都宮道路日光ICから約4km |
駐車場 | 100台/有料 |
問い合わせ | 日光山輪王寺 TEL:0288-54-0531 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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