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英国大使館別荘記念公園

英国大使館別荘記念公園

栃木県日光市の中禅寺湖畔の風光明媚な一画に復元されているのが戦前の英国大使館別荘。一帯は英国大使館別荘記念公園として整備されています。イギリスの外交官で明治維新に大きな影響を与えたアーネスト・サトウの別荘として明治29年に建てられ、その後、英国大使館別荘として平成20年まで使われてきた建物が復元されています。

外国人避暑地時代の中禅寺湖を学ぼう

明治3年、英国公使パークス夫妻の日光東照社(神仏分離後に日光東照宮)来訪が、外国人の日光探訪の最初。
明治5年3月13日〜3月24日、アーネスト・サトウ(Sir Ernest Mason Satow)は駐日英国代理公使のF.O.アダムズ(Francis Ottiwell Adams)、イラストレイテッド・ロンドン・ニュース特派画家のチャールズ・ワーグマン(Charles Wirgman=幕末に居留地向けの日本初の漫画雑誌「ジャパン・パンチ」を発行)とともに奥日光を訪れ、明治7年9月24日〜10月4日にも日光・中禅寺湖を探訪、明治8年に42ページの英文ガイドブック『A Guide Book to Nikko』(『日光案内』)をジャパ ン・メイル社から刊行しています(『京都案内』 、『横浜案内』に続く3冊目)。

明治10年7月1日にアメリカの人類学者・モースが日光を訪れ、明治22年、日光ホテルが開業。
さらに明治23年に日本鉄道の宇都宮〜日光間が全通を受けて、明治時代の半ばから昭和初期にかけて、栃木県日光市の中禅寺湖畔にはイギリス、イタリアなど各国の大使館をはじめ多くの外国人別荘が建てられ、軽井沢と並んで避暑地として注目されるようになります。

奥日光を愛したアーネスト・サトウ

中禅寺湖畔を外国人たちが注目したのは、風光明媚さと、夏の冷涼な気候、釣りができることなどに加えて、日光山内の賑わいを喧騒と感じる外国人も多かったから。
中禅寺坂を上った中禅寺湖畔での別荘生活を望むように なったのです。
こうした在京外国人たちの動きを先導したの が、アーネスト・サトウ だったのです。
在日5年の間に、31回、延べ218日、日光・中禅寺湖を訪れ、明治29年には地元の旅館経営者伊藤浅次郎から家を借りて中禅寺湖に夏の間1ヶ月ほど滞在しています。
この家が「小さくて、あまり快適とは言えない 」ことから、借家を諦め、別荘建築を決意したのです。

明治29年に建てられたアーネスト・サトウの別荘には、完成直後の明治29年8月1日 、『日本奥地紀行』(『Unbeaten Tracks in Japan』/明治13年刊)で知られるイザベラ・バード(Isabella Lucy Bird/ジョン·ビショップと結婚後でビショップ夫人=Isabella Bird Bishop)も滞在し、友人あての手紙に「山荘から眺める風景の素晴らしさ」を綴っています。
アーネスト・サトウは、ボートで中禅寺湖を探検し、周囲の山々を歩き回っています。

復元された英国大使館別荘は、栃木県立日光自然博物館の分館として機能し、館内では、国際避暑地としての日光の歴史や当時のイギリス文化を展示解説しています。
1階は「幕末維新の英国外交官アーネスト・サトウ」、「サトウが愛した奥日光」、2階は「サトウが活躍した時代は英国文化の黄金期」をテーマに展示が行なわれています。

さらに2階には英国文化交流室「南4番Classic」があり、中禅寺湖を眺めながらイギリス大使館シェフ監修のスコーンと紅茶のセットなどを味わうという優雅な時間を得ることができます。
2階の広縁からは、奥日光をこよなく愛したアーネスト・サトウが愛した中禅寺湖畔の「絵のようにうつくしい湖で、鬱蒼たる樹木に囲まれた山々がこれを取り囲んでいる」 (明治5年3月17日、初めて中禅寺湖を見て/アーネスト・サトウの日記)風景を眺めることができます。

名称 英国大使館別荘記念公園/えいこくたいしかんべっそうきねんこうえん
所在地 栃木県日光市中宮祠
関連HP 栃木県立日光自然博物館公式ホームページ
電車・バスで JR日光駅・東武日光駅から東武バスで中禅寺温泉・湯元温泉行きで中禅寺温泉下車、徒歩35分。半月山行き運行期間(5月15日~11月11日)はイタリア・英国大使館記念公園下車、徒歩5分
ドライブで 日光宇都宮道路清滝ICから約16kmで県営歌ヶ浜駐車場
駐車場 県営歌ヶ浜駐車場(200台/無料)を利用、駐車場から徒歩10分
問い合わせ 栃木県立日光自然博物館 TEL:0288-55-0880/FAX:0288-55-0850
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

イタリア大使館別荘記念公園

栃木県日光市の中禅寺湖畔にある栃木県立日光自然博物館の分館として機能するのがイタリア大使館別荘記念公園。明治30年代から中禅寺湖は外国人の別荘地として人気となり、諸外国の外交官の避暑地として発展。そのなかのひとつがイタリア大使館別荘で、昭和

 

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