栃木県那須塩原市、一級水系・那珂川の本流、最上流部に建設された深山ダム(みやまだむ)のダム湖が深山湖。食糧増産を背景に、国営那須野ヶ原土地改良事業での水資源の確保を目的に昭和48年に完成。日光国立公園内で、深山湖の奥には那須連山の大倉山や三倉山を眺望する絶景を得ることができます。
那須野が原を潤す巨大なロックフィルダム
ダムは堤高75.5m、堤長333.8mのアスファルト表面遮水壁型ロックフィルダム(同じ那須塩原市の八汐ダムが同種のダムで世界一の堤高を誇っています)。
那須野が原一帯4300haの灌漑、那須塩原市、大田原市の上水道の水源、発電を目的とした多目的ダムで、栃木県の管理しています。
那須野が原は、明治18年、第3代栃木県令・三島通庸 (みしまみちつね)により、日本三大疏水の一つに数えられる那須疏水が開削され、殖産興業を目的に山県有朋、松方正義、大山巌、青木周蔵、山田顕義など明治貴族が入植して開拓が行なわれましたが(日本遺産「明治貴族が描いた未来〜那須野が原開拓浪漫譚〜」)、それ以降、大規模な灌漑水路は引かれていなかったのです。
ダム堰堤上から湖畔には栃木県那須塩原市と福島県南会津郡南会津町を結ぶ栃木県道・福島県道369号(黒磯田島線)が走っていますが、栃木・福島県境の男鹿峠(大川峠)周辺は車両通行困難な山岳道路(大川林道)で、通行禁止になっているため、事実上は「点線険道」の一種です(道路地図には峠越えの県道が記載されている場合がありますが、ダム湖の奥、深山橋で通行止めになっています/道路が崩壊している部分もあり、ハイキングもできません)。
湖畔の沼原発電所入口横にはJ-POWERの「森の発電おはなし館」があり、ダムカードを配布(事前に確認してから訪問を)。
湖畔の沼原発電所近くには鬼が面山(おにがつらやま/1271m)への登山口があります。
深山湖は、鬼が面山地下を抜ける水路で沼ッ原湿原(ぬまっぱらしつげん)南の沼ッ原調節池と結ばれ、沼原発電所で発電に使う水は深山湖から揚水される仕組み。
沼原発電所は世界有数の揚水式発電所で、深山湖を下池、標高1200mの沼ッ原調節池を上池として、その落差517mを利用した発電を行なっています。
沼原発電所は鬼が面山の山中、登山道の下にあって普段は見ることができませんが、発電所入口横の「森の発電おはなし館」でその仕組みを学ぶことができます。
ダムサイトにある深山ダム園地の高台からは注意を一望に(散策路が整備されています)。
深山ダム(深山湖) | |
名称 | 深山ダム(深山湖)/みやまだむ(みやまこ) |
所在地 | 栃木県那須塩原市百村地内 |
関連HP | 那須塩原市公式ホームページ |
電車・バスで | JR那須塩原駅、または、JR黒磯駅からタクシーで40分 |
ドライブで | 東北自動車道黒磯板室ICから約22km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 那須塩原市産業観光部商工観光課観光係 TEL:0287-62-7156/FAX:0287-62-7223 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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