「アルペン特急」などの観光特急があり、富山市内には路面電車も走らせる富山地方鉄道。地元では「地鉄」と呼ばれ、親しまれていますが、慢性的な赤字に悩まされています。富山地鉄は、本線の電鉄富山〜上市は直営可能ですが、上市〜宇奈月温泉は不採算区間で維持が難しいとしています。
将来の運行形態の参考例として、5パターンが提示される
2025年7月1日(火)、富山地方鉄道の「あり方検討会」本線分科会が開催され、沿線の水野達夫滑川市長、村椿晃魚津市長、武隈義一黒部市長、中川行孝上市町長と、新田八朗知事、中田邦彦富山地鉄社長が出席。
沿線自治体の事務局は、将来の運行形態の参考例として、5パターンを提示しています。
それによると、
- 現行維持
- あいの風とやま鉄道との並行区間の廃止(滑川〜新魚津の廃止)
- 滑川〜新魚津の廃止・設備撤去
- 滑川〜宇奈月温泉の廃止
- 上市〜新魚津の廃止
ですが、事務局は、経費の違いなどを把握するための参考で、調査までに内容やパターン数を変更する可能性もあるとしています。
富山地鉄からは、全線を鉄道施設を地元自治体、運営を地鉄という「みなし上下分離方式」にした場合は、沿線自治体の負担は年3億2千万円超になるとの試算が示されたため、持続可能な取り組みとはいえないという結論に。
上市〜宇奈月温泉だけを「みなし上下分離方式」にするのかを含めて今後の検討となりますが、当面はさらなる利用者増を図るしかないということに。
富山県は、ここ1〜2年は、石川県、福井県ほど旅行者は増えておらず、北陸新幹線の敦賀延伸後には通過する人も多くなっています。
立山黒部アルペンルート、宇奈月温泉など沿線には魅力的な観光地もあり、そのアクセス手段としても貴重な存在。
今後の展開に注目するとともに、今年の夏はぜひ富山で、鉄道旅行を。
赤字の富山地鉄、観光路線でもある上市〜宇奈月温泉は維持困難!? | |
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