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【地図を旅する】vol.8 日本最高所の露天風呂はどこ?

日本最高所の露天風呂はどこ?

日本で最高所の露天風呂はどこなのでしょう? 答えは、八ヶ岳山中の本沢温泉「雲上の湯」(長野県南佐久郡南牧村)で、標高2150m。夏も涼しい雲上のちょっぴりワイルドな露天風呂ですが、登山口から1時間以上歩く必要があります。

硫黄岳直下に湧く、日本最高所野天風呂「雲上の湯」

本沢温泉にて、温泉達人・飯出敏夫さん

八ヶ岳の一峰である硫黄岳の北面は、大きな山体崩壊による崖になっていますが、この崖を見上げる展望台のような位置に本沢温泉の露天風呂「雲上の湯」はあります。
本沢温泉では、そのワイルドな雰囲気から露天風呂ではなく、あえて野天風呂と称しています。

本沢温泉(標高2100m)から少しだけ登った標高2150mに野天風呂「雲上の湯」はあります。とくに施設のないワイルドな露天風呂ですが、本沢温泉が管理しているので日帰り入浴の場合は、入浴料が必要です。
泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉で、よく温まると評判です。

本沢温泉は、江戸時代の末期、文化文政の頃に猟師によって発見され、明治15年には早くも山小屋が建設されたという歴史ある温泉宿(八ヶ岳で初となる宿です)。
当時は夏沢峠越えの旅人、そして湯治客がターゲットでした。
日本最高所野天風呂「雲上の湯」は、創業時からの歴史ある山の出湯なのです。

昔ながらの山の湯のイメージを色濃く残した本沢温泉へは、車で入ることはできません。
マイカーの場合は、少し無理をすれば本沢温泉まで徒歩1時間35分という林道のゲートまで入ることができます(車を8台ほど置くスペースがあります)。

愛車を傷つけたくない人は、タクシー乗り場でもある本沢入り口に車を置くのが無難でしょうが、そうするとプラス45分ほど歩くことになります。
本沢鉱泉までは原生林を歩きますが、冬は雪のため4時間ほどかかるとか。
途中は美しい北八ヶ岳の森ですから森林浴を楽しみながらのんびり歩きましょう。

ちょっぴり意外なのは、本沢温泉自体の内風呂「苔桃の湯」(こけもものゆ)は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉と、露天風呂とは異なる点(日帰り入浴も可能)。
両方入ればふたつの泉質が楽しめます。内湯ももちろんかけ流しで、24時間入浴可能です。

本沢温泉は山小屋として使われていますが、相部屋だけでなく個室も用意しています(部屋は相部屋、個室、新館の3タイプ)。
八ヶ岳赤岳頂上山荘、キレット小屋、ヤマネとモモンガの山荘八ヶ岳山びこ荘と同じ経営で、登山者も多いのですが、さすがは日本一の高所露天風呂だけあって「露天風呂だけを目的に登ってくる人も多い」とのことです。
なぜなら、この宿、日本秘湯を守る会の会員でもあり、秘湯を守る会の会員なら宿泊でスタンプをゲットできます。

料理も手作りでちゃんとしていますから、山小屋初体験の人にもおすすめできます。
電気は来ていませんから夜20:00以降は正真正銘の「ランプの宿」になります(懐中電灯の持参を)。

ちなみに、日本最高所の温泉宿は、立山黒部アルペンルート途中のみくりが池温泉で、標高は標高2410m。
日本最高所のみくりが池温泉近くの雷鳥沢ヒュッテにも半露天風呂があり、雷鳥沢ヒュッテを露天風呂と認定すれば日本最高所ということになりますが、完全な露天風呂(野天風呂)とはいえず、しかも季節営業のため(冬は豪雪に閉ざされます)、温泉達人の飯出敏夫さんに確認しても、「一般的には本沢温泉」という回答でした。

なお、本沢温泉は、新型コロナウイルス感染症蔓延時には、完全予約制、個室のみで営業となっています。
本沢温泉は八ヶ岳山中にあるので、登山装備でのアプローチがおすすめです。

撮影/板倉あつし(プレスマンユニオン・温泉ソムリエ)
地図(国土地理院)/地理院タイル

【地図を旅する】vol.8 日本最高所の露天風呂はどこ?
名称 本沢温泉/ほんざわおんせん
所在地 長野県南佐久郡南牧村海尻
関連HP 本沢温泉公式ホームページ
電車・バスで JR小海駅からタクシーで40分で本沢温泉入口駐車場、徒歩2時間15分
ドライブで 上信越自動車道佐久ICから約44km、中央自動車道須玉ICから約52kmで本沢温泉入口駐車場、徒歩2時間15分
駐車場 本沢温泉入口駐車場(20台/無料)
問い合わせ 本沢温泉 TEL:090-3140-7312
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

【地図を旅する】vol.7 日本最高所の温泉宿、TOP3は、立山・室堂に!

日本最高所の温泉は、立山黒部アルペンルート途中の最高所、室堂(富山県中新川郡立山町)にある「みくりが池温泉」(2410m)です。地獄谷と呼ばれる噴気を上げる源泉地帯からの引湯ですが、同じく引湯の「雷鳥荘」(2370m)、「雷鳥沢ヒュッテ」(

 

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