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【地図を旅する】vol.13 富士山が見える最遠の地は、和歌山県に!

色川富士見峠

快晴の日には伊豆七島の八丈島の八丈東山(三原山) から富士山を視認でき、その距離はなんと271km。ここが富士山を眺める南限ですが、上には上があるもので、北限の花塚山(はなづかやま/福島県)は308km、最遠は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の色川富士見峠で322.9kmという距離があります。

和歌山県那智勝浦町の色川富士見峠が322.9kmで最遠!

北限の花塚山(918.2m/福島県伊達郡川俣町と相馬郡飯舘村の境)は富士山から308kmキロ離れ、地形や標高などに基づく計算上の北限で、実際に平成28年11月26日、菅野和弘さんのグループが初めて富士山山頂の姿を撮影しています。
日本地図センターがパソコンでシミュレーションした姿と一致したため、実際に富士山の撮影に成功したと認定されたのです。

さてさて、最遠の地は、なんと熊野古道中辺路(くまのこどうなかへち)のハイライト、大雲取越の西に位置する色川富士見峠。
平成9年に、那智滝の南、妙法山阿弥陀寺の建つ那智三峰・妙法山(標高749m)から富士山が撮影され、妙法山富士見台322.6mnが最遠とされていましたが、平成13年9月、妙法山からさらに西に位置する色川富士見峠(色川小麦峠)から富士山の撮影に成功、その距離322.9kmで、300mほど記録を更新、日本最遠の富士山眺望ポイントに認定されたのです。


平成7年、新宮市の写真家・楠本弘児さんが同じ那智勝浦町の大雲取山から富士山の撮影に成功、さらに平成9年、妙法山からも富士山を捉えたため、三重県紀宝町に住むアカメラマンの仲賢(なかまもる)さんが、富士山眺望に関する書籍に「理論上はさらに300m離れた地点からも富士山が見える」という記述を見出し、平成10年から撮影にチャレンジ。
獣道を踏み分けるという困難な作業の末に、富士山が見えるであろう可能性の高いポイントを特定、
撮影チャレンジ5回目となる平成13年9月12日の早朝(台風一過で快晴)、ついに富士山をファインダーで捉えたのです。

地元の森林組合と協議し、撮影ポイントを「色川富士見峠」と名付け、以降もチャレンジする人はいますが、間に太平洋があるため、水蒸気の影響で富士山を視認できるのは稀。
那智高原公園駐車場から山道を2時間ほど歩き、しかも危険を伴うルートのため、一般にはおすすめできません。

【地図を旅する】vol.13 富士山が見える最遠の地は、和歌山県に!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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