異色の外観で銀座界隈を歩く外国人観光客も注目する築地本願寺。現在の建物は古代インドの寺院を思わせる風貌ですが、江戸時代の築地本願寺(西本願寺)は、やはり堂々たる大屋根の寺院建築。しかも八丁堀の海上を埋め立てたばかりの土地に建っていました。
広重『東都名所 築地西御堂之図』(蔦吉版)
初代の歌川広重の版画。広重は師である豊広の死後、美人画や花鳥図から転身し、独自の画風で発表した『東都名所』シリーズが評判を呼びます。浮世絵市場空前の売れ行きとなった保永堂版『東海道五拾三次』の布石となるシリーズです。
歌川国芳『築地御門跡之図』(丸屋清次郎版)
1853(嘉永6)年出版の歌川国芳の版画。築地門跡(つきじもんぜき)とは築地本願寺のこと。1617(元和3)年、京・本願寺の別院として浅草に建立され、江戸浅草御堂と呼ばれていましたが、1657(明暦3)年に起こった明暦の大火で焼失。1679(延宝7)年に八丁堀海上を埋め立てた現在地に移っています。移転に際しては佃島の信徒の協力などもあったとか。
広重『江戸名勝図会 築地門跡』
門跡とは、格式の高い寺院をさす寺格のひとつであり、当時の築地門跡はその敷地に50を超える子院を擁する大寺院でした。
広重『名所江戸百景 江戸百景余輿 鉄炮洲築地門跡』
1858(安政5)年、明石町の沖から築地本願寺本堂の大屋根を遠望する図。築地本願寺の本堂は1856(安政3)年8月の暴風雨で倒壊し、1860(万延元)年11月に再建されているので、実は出版時には工事中ということに。
江戸切絵図で知る築地本願寺
築地本願寺 | |
名称 | 築地本願寺/つきじほんがんじ |
所在地 | 東京都中央区築地3-15-1 |
関連HP | 築地本願寺公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩2分 |
ドライブで | 首都高速銀座ランプから約600m |
駐車場 | 90台/無料 |
問い合わせ | 築地本願寺 TEL:03-3541-1131/FAX:03-3541-7071 |
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