富山県中新川郡立山町、10万年前の立山の火山活動で流出した溶結凝灰岩の断崖が、悪城の壁(あくしろのかべ)。幅2km、高さ500mというスケールは一枚岩の断崖としては日本一の規模。称名滝へ向かう富山県道170号弘法称名立山停車場線(称名道路)の途中には悪城の壁展望台も設置されています。
日本一巨大な一枚岩の岩壁を見上げる
スケール日本一という悪城の壁、立山・雷鳥沢に発する称名川が10万年の歳月をかけて立山火山の火砕流台地を削り、峡谷を形成したもの。
岩壁が2段になっていることから「悪城の二階」とも呼ばれています。
実は日本一の落差を誇る称名滝は、7万年ほど前には、現在よりも7km下流の立山町千寿ケ原(立山駅・立山カルデラ砂防博物館付近)に懸かり、その侵食による後退(1年間に約10cm)の結果、誕生したのがこの悪城の壁なのです。
悪城の壁には下部に大きな凹型の樋状通路がありますが、これは春先の雪崩で形成されるアバランチ・シュート(avalanche chute)と呼ばれる雪崩路(なだれみち)。
悪城は、岩壁の険悪な形相から命名で、称名滝探勝時の必見ポイントのひとつ。
帰路にもぜひ車を停めて、じっくりと見学を。
悪城の壁は、立山黒部ジオパークのジオサイトにもなっています。
ちなみに悪城の壁の上部にあるのが、立山黒部アルペンルートの立山高原バスが称名滝を遠望する滝見台で、下ノ子平と上ノ子平の途中に位置します。
悪城の壁展望台 | |
名称 | 悪城の壁展望台/あくしろのかべてんぼうだい |
所在地 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺 |
駐車場 | 10台/無料 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag