富山県南砺市、赤祖父溜池(赤祖父湖)の下流側にあるのが、赤祖父円筒分水漕(あかそふえんとうぶんすいそう)。赤祖父溜池工事の一環として、農業用水を公平に分配するため建設された富山県内最古の円筒分水工(円筒分水槽)で、昭和24年の完成。国の登録有形文化財に指定されています。
溜池の水を大川筋用水、一の用水、二の用水に公平分配
円筒分水とは、農業用水を正確に一定の割合で配分するため施設。
サイフォンの原理で円筒状構造物の中央部から水を流出し、外周部に流すシステムで、大正年間に考案され、昭和初期に吹き上げ式の円筒分水が造られるように。
水源にブナの森を有する赤祖父川沿いには、左岸14ヶ所、右岸20ヶ所もの用水の取り入れ口があり、慢性的な水不足状態に悩まされ、水争いが絶えない土地でした。
こうした問題を解決するため、昭和7年9月に赤祖父溜池が着工、第二次世界大戦での中断をはさみ、昭和20年に完成。
溜池の水(赤祖父幹線水路)を公平に分配し、大川筋用水、一の用水、二の用水に流すために直径3.05mの赤祖父円筒分水漕が築かれました。
庄川上流用水土地改良区(昭和27年、赤祖父郷土地改良区が設立し、平成15年、南砺用水土地改良区に吸収合併、現・庄川上流用水土地改良区)が管理する赤祖父円筒分水漕が富山県では最初の設置です。
富山県内には富山県内には赤祖父円筒分水漕のほかに、片貝川東山円筒分水槽(魚津市/日本で最も美しいと評される円筒分水)、貝田新円筒分水槽(魚津市/片貝川の左岸)、釈泉寺円筒分水槽(上市町)、氷見市土地改良区鞍川工区円筒分水(氷見市)の5ヶ所の円筒分水工(円筒分水槽)があり、赤祖父円筒分水漕、片貝川東山円筒分水槽、釈泉寺円筒分水槽が国の登録有形文化財に指定されています。
赤祖父円筒分水漕 | |
名称 | 赤祖父円筒分水漕/あかそふえんとうぶんすいそう |
所在地 | 富山県南砺市川上中521 |
ドライブで | 東海北陸自動車道福光ICから約5.5km |
駐車場 | 1台/無料 |
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