和歌山県和歌山市にある池泉回遊式の大名庭園が養翠園(ようすいえん)。第10代紀州藩主・徳川治宝(とくがわはるとみ)の隠居所・西浜御殿(現・和歌山工業高校付近)からの清遊の場、接待の場として文政元年(1818年)から8年の歳月をかけて造営した大名庭園。命名は公卿・三条公修(さんじょうきんおさ)で、松の緑を養う園の意です。
池泉回遊式、船遊式、借景式の大名庭園
松を主体とした徳川中期の代表的な武家庭園とされる池泉回遊式庭園ですが、江戸(東京)の浜離宮と同様に、海水を利用した潮入りの池が珍しい造り。
海水を取り込む大浦湾水門は、船で庭園を訪れる際の通用門にもなり、10代藩主の徳川治宝は、西浜御殿から大浦湾を経て園内の御船倉へ直接入っていました。
一般の客人は駕籠(かご)で入園していました。
海の景色を意図して取り入れず、正面には天神山、側面には高積山を借景として眺望。
池が海水のため、魚はイナ、ウナギ、ハゼが泳いでいます。
池泉回遊式、船遊式、借景式の大名庭園が現存という、貴重なお庭になっているのです。
庭園内池に架かる石造りの三ツ橋は、中国の西湖を模したもの。
池の東側は中国風に、西側は日本風な造りとなっています。
数寄屋造りで、総建坪94坪、部屋数19室の御茶屋「養翠亭」は、文政4年(1821年)の築。
「御座の間」などが往時のままに残されていますが内部は非公開です。
庭園西側の桃畑跡には天保5年(1834年)に再建された藩主の隠居所である湊御殿(奥御殿)も移築されており、こちらは有料で公開されています。
国の名勝に指定される見事な庭園は、平成7年のNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』のロケ地にもなっています。
名称 | 養翠園/ようすいえん |
所在地 | 和歌山県和歌山市西浜1164 |
関連HP | 養翠園公式ホームページ |
電車・バスで | JR和歌山駅から和歌山バス雑賀崎循環で30分、養翠園前下車、徒歩7分 |
ドライブで | 阪和自動車道和歌山ICから約11km |
駐車場 | 40台/無料、正門脇・湊御殿入口に20台駐車可能 |
問い合わせ | TEL:073-444-1430/FAX:073-444-1430 |
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