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野中の清水

野中の清水

和歌山県田辺市中辺路町野中、野中坂巻山の中腹に湧く清水が野中の清水。熊野古道・中辺路(なかへち)沿い、「野中の一方杉」のある継桜王子社の真下に位置し、古来から熊野詣に訪れる人々の喉を潤し、『古今和歌集』にも歌が記載されています。歴史ある名水は環境省「名水百選」にも選定されています。

『古今和歌集』にも歌が掲載される名水

延喜5年(905年)4月18日に奏上された『古今和歌集』には、「いにしへの野中の清水ぬるけどもとの心を知る人ぞくむ」(887番・詠人知らず)という歌が載せられています。
単に「野の中」で特定の場所を指すものではないと考える人もいますが、「いにしへの」とあるので熊野詣で途中の「野中の清水」ではないかと推測できるのです。

周辺は水に恵まれない場所でしたが、野中の清水は、かつて一度も涸れたことがないといわれ、1日50t〜200tの水が湧出、現在も付近住民の飲料水、生活用水として利用されています。

近くには江戸時代に訪れた芭蕉の高弟・服部嵐雪(はっとりらんせつ=蕉門十哲のひとり)、の「住みかねて道まで出るか 山清水」と記された句碑も立っています。
服部嵐雪は、門下の百里、朝叟(ちょうそう)、甫盛、全阿を伴って、宝永2年(1705年)夏に伊勢参詣の後、新宮から那智を詣でて本宮、さらに中辺路から田辺に出ています。
その時の旅を記したのが紀行文『その浜ゆふ(其浜木綿)』です。

名称 野中の清水/のなかのしみず
所在地 和歌山県田辺市中辺路町野中
関連HP なかへち町観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR紀伊田辺駅から龍神バス熊野本宮大社行きで1時間25分、野中一方杉下車、徒歩30分
ドライブで 阪和自動車道南紀田辺ICから約39km
駐車場 3台/無料
問い合わせ なかへち町観光協会(熊野古道館内)TEL:0739-64-1470
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

継桜王子(野中の一方杉)

和歌山県田辺市中辺路町、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産でもある熊野古道(国の史跡「熊野参詣道」)・中辺路(なかへち)にあるのが継桜王子(つぎざくらおうじ)。熊野九十九王子社(くまのくじゅうくおうじ)のひとつで、社(江戸時代

 

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