和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある、補陀落渡海(ふだらくとかい)で知られる天台宗の古刹、補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。補陀洛山は観音菩薩が住むという伝説の山(観音浄土)で、熊野信仰では那智の浜が補陀洛山に通じる場所と信じられてきました。世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産にもなっています。
補陀洛渡海が行なわれた熊野の古刹
補陀洛山寺は仁徳天皇の治世にインドから熊野の海岸に漂着した裸行上人が開山したという伝承のある古刹。
平安時代から江戸時代にかけて、補陀洛山寺では僧が小さな舟に30日分の油と食糧をたずさえて、南海の果てにあるという観音浄土を目指して船出するという習わしがありました。
これが「補陀落渡海」(ふだらくとかい)で、記録(『熊野年代記』など)に残る限りでは19人の僧が補陀洛山に往生しようと試みています。
補陀洛山寺には渡海した僧たちも祀られています。
江戸時代までは大伽藍を有していましたが、文化5年(1808年)の台風でおもな堂宇は倒壊。
現在の本堂は平成2年の再建です。
本尊の三貌十一面千手千眼観世音菩薩は平安後期の作と伝えられ国の重要文化財。
隣接する熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわしゃ)は、熊野古道・浜の宮王子に建つ神社。
熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ/王子=熊野権現の御子神)のひとつで、境内には振分石(ふりわけいし)があり、中辺路(なかへち)・大辺路(おおへち)・伊勢路の分岐点になっていました。
名称 | 補陀洛山寺/ふだらくさんじ |
所在地 | 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮348 |
関連HP | 那智勝浦町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR那智駅から徒歩3分 |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約101km |
駐車場 | 渚の森駐車場(30台/無料) |
問い合わせ | TEL:0735-52-2523 |
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