世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の熊野古道・中辺路(なかへち)。箸折峠(はしおりとうげ)の宝篋印塔(県指定文化財「近露の宝塔」)近くにある石像が、中辺路のシンボル的存在となっている牛馬童子像。牛馬2頭の背にまたがった牛馬童子像は、歴史的には新しく、明治時代に彫られたもの。
失意の花山法皇をイメージした像
藤原氏が摂関政治を謳歌するなか、失意のなか熊野行幸を行なった花山法皇をイメージした像だといい熊野古道のシンボル的な石仏になっています。
花山天皇は、冷泉天皇の第一皇子。
平安時代の安和元年(968年)、に生まれ、永観2年(984年)、叔父である円融天皇の譲位で即位しますが、在位2年を待たずに退位、寛和2年(986年)に仏門に入っているのです。
数えで19歳という若さで、『大鏡』によれば藤原兼家が、外孫の懐仁親王(一条天皇)を即位させるための策略だったと考えられるのです。
つまりは藤原氏の摂関政治の犠牲者ということに。
「この世をば我が世とぞ思ふ望月のかけたる事も無しと思へば」と詠んだ藤原道長の父・藤原兼家(ふじわらのかねいえ)が摂政になる際に、花山天皇は退位させられているのです。
花山法皇の観音巡礼の地は、今も西国三十三所巡礼として継承されているほか、永延元年(987年)には熊野行幸に旅立っています。
道の駅熊野古道中辺路から徒歩15分。
牛馬童子像 | |
名称 | 牛馬童子像/ぎゅうばどうじぞう |
所在地 | 和歌山県田辺市中辺路町近露 |
関連HP | 田辺観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約33km |
駐車場 | 道の駅熊野古道中辺路駐車場(18台/無料) |
問い合わせ | 田辺観光協会 TEL:0739-26-9929/FAX:0739-22-9903 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag