和歌山県田辺市、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産となる熊野古道・中辺路(なかへち)。熊野九十九王子社(くまのくじゅうくおうじ)のひとつで、岩神峠と三越峠の間を流れる湯川川の谷間に位置するのが湯川王子。往時には参詣の途上の宿泊地として機能し、皇族などもこの地に宿泊することが多かった王子です。
岩神峠と三越峠の間を流れる湯川川のほとり
平安時代の熊野詣では、上皇や貴族は、湯川川の水で身を清め、熊野本宮を目ざしました。
若一王子権現社(神仏習合)として祀られた社は、神仏分離後の明治42年に金毘羅神社(近野神社)に合祀され、国道311号の開通後は過疎化が進み、道湯川村(どうゆかわむら)集落も昭和31年に無住の地となってしまい、往時の姿は失われています。
その後、神社も荒廃しましたが、昭和58年に旧住民などにより社殿が再建されています。
口熊野と奥熊野の境界である三越峠(みこしとうげ)へは1kmほど。
熊瀬川王子の駐車スペースから徒歩2時間ほど必要です。
熊野古道・中辺路のうち、小広峠から熊野本宮大社までの区間は、人家から離れて歩く熊野古道中辺路のハイライト部分。
途中には草鞋峠(わらじとうげ)、岩神峠(いわがみとうげ)、三越峠(みこしとうげ)という3つの難所が待ち受けています。
小広王子~湯川王子は、5.7km、所要2時間(迂回ルートの場合があります)。
湯川王子〜三越峠~発心門王子は、5.1km、所要1時間45分。
発心門王子では、夕刻にはバスがないので注意が必要です。
湯川地区は、湯川さん発祥の地!
湯川地区には、湯川氏発祥の地碑、湯川一族の墓も立っていますがが、甲斐武田氏をルーツとする湯川氏は、武田範長の末子として甲斐の奈古に生まれた三郎忠長が岩神峠の山賊を退治してこの地に根ざして湯川氏を名乗ったのだとか。
その功によって六波羅探題(ろくはらたんだい=鎌倉時代に京に置かれた朝廷 ・ 西国の監視などの目的をもった役所)から牟婁郡(むろぐん)を賜り、牟婁一円を支配下においています。
紀伊亀山城の城主・湯川直光もこの流れ。
湯川秀樹の妻・湯川スミも紀州の出身です。
名称 | 湯川王子/ゆかわおうじ |
所在地 | 和歌山県田辺市中辺路町道湯川 |
関連HP | 田辺観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約41kmで熊瀬川王子 |
駐車場 | なし/熊瀬川王子の駐車スペースから徒歩2時間 |
問い合わせ | 田辺観光協会 TEL:0739-26-9929/FAX:0739-22-9903 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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