山梨県南巨摩郡身延町、下部温泉(しもべおんせん)にある武田信玄ゆかりの古湯が、古湯坊源泉館。古湯坊源泉館で注目は、戦国時代からあり、武田信玄も入浴したであろう巨大な岩風呂。「かくし湯大岩風呂」として源泉館館内に現存、日帰り入浴も可能です。足もとの岩盤から自噴する源泉かけ流しの温泉は鮮度抜群。
正真正銘、信玄の隠し湯だった下部温泉
永禄4年(1561年)、4度目の川中島の合戦で上杉謙信の奇襲を受け、肩に傷を負ったという武田信玄が訪れ、傷をいやしたといわれるのが、下部温泉。
「あまりに早く傷が治ったので、上杉謙信も驚いた」(下部温泉の伝承)というほど、薬効の高さが伝えられています。
下部温泉で刀傷を癒やした武田信玄は、下山館(穴山氏館=現・身延町下山の本国寺にあった居館)を本拠とする領主・穴山信友(あなやまのぶとも)に下部温泉の管理を命じています。
このとき、穴山信友が下部温泉の湯守に命じた文書が現在の「古湯坊源泉館」に残されています。
信玄も入った「かくし湯大岩風呂」に入浴
「かくし湯大岩風呂」は15畳もある巨大な岩盤から湯が自然湧出するもの。
武田信玄が入浴した当時は露天、あるいは小屋掛け程度だったと推測できますが、今では古湯坊源泉館の内部に取り込まれています。
湯船の深さは2mほどあるため、底に板を渡して入りやすくしています。
毎分200~400ミリという豊富な温泉が湧き出していますが、泉温は湯船で30度ほどと、かなりの冷たいのですが、加温、循環をすれば、効能が落ちることから、源泉かけ流しにこだわっているのです。
「副交感神経がよく働き、精神的にもリラックスでき落ち着いた気分になります」(古湯坊源泉館)とのこと。
混浴なので、恥ずかしいという人は、ガーゼ地のバスタオルを借りるか、または購入して体に巻いての入浴をおすすめ(女性専用時間も用意されています)。
源泉を加熱した上がり湯も用意されているので交互に入る冷温交互浴で、入浴効果もアップ(源泉に15〜20分入浴することで副交感神経を刺激し、上がり湯に3〜5分入浴することで交感神経を刺激)するのだとか。
泉質は単純温泉で、適応症も切り傷、火傷などというから、まさに野戦病院的な「信玄の隠し湯」には最適だったと推測できます。
古湯坊源泉館には、武田信玄の直筆・花押入り「免許状」、馬場美濃守(馬場信春)の川中島の負傷兵を救済したことに関する感謝の書状などが残され、史実に裏付けされた隠し湯の往時の湯船が現存する貴重な例となっています。
武田氏滅亡後は徳川の領有となり、徳川家康も入浴したとの伝承も。
古湯坊源泉館 | |
名称 | 古湯坊源泉館/こゆぼうげんせんかん |
所在地 | 山梨県南巨摩郡身延町下部45 |
関連HP | 古湯坊源泉館公式ホームページ |
電車・バスで | JR下部温泉駅から徒歩15分 |
ドライブで | 中部横断自動車道増穂ICから約22km、中央自動車道河口湖ICから約43km |
駐車場 | 18台/無料 |
問い合わせ | 古湯坊源泉館 TEL:0556-36-0101/FAX:0556-36-0105 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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