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湯殿山神社祭礼|湯西川温泉|2024

湯殿山神社祭礼|湯西川温泉

2024年8月15日(木)8:30、栃木県日光市湯西川で『湯殿山神社祭礼』が斎行。湯殿山神社は、湯西川温泉の総鎮守。平家落人の菩提寺・慈光寺から湯殿山神社まで天狗面の猿田彦(さるたひこ)、神官、僧侶、惣代長、行人(行者)などの神輿渡御も行なわれ、境内では一人立ち三匹獅子の獅子舞が奉納されます。

神仏習合時代の祭礼を今に伝える

『湯殿山神社祭礼』は、湯西川に温泉が発見された時に、守り神として出羽三山のひとつ羽黒山の土を移し、神霊を勧請し祀ったのが始まりという歴史ある祭礼です。

3日前に行なわれる行人(ぎょうにんぞろえ=修験道などで祭りの準備を担う人)の顔揃え(集合)から始まり、行人は慈光寺の行屋で3日間のお籠りが義務付けられています。
8月15日の行列では、行人は神輿を奉仕します。

天狗の面をつけた猿田彦(修験道では守護神の天狗と猿田彦神が同一視されました)を先頭にした行列が、慈光寺から湯殿山神社に渡御し、神輿は拝殿に安置。
湯殿山神社では、氏子の安全や五穀豊穣、災厄除けを祈願(神事)した後、風流系一人立三頭獅子(文挟流獅子舞・ふばさみりゅうししまい=古代獅子舞)が奉納されます。
慈光寺から湯殿山神社への行列に湯殿山神社の神職に慈光寺住職が加わるなど神仏習合の姿を今も垣間見ることができます。

8:30頃、行列が慈光寺を出発し、1時間~1時間30分かけて湯殿山神社に到着。

出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)信仰を今に伝える湯殿山神社

出羽三山信仰は、明治の神仏分離以前は山岳修験の神仏習合(古来の神道、仏教、道教、陰陽道、自然崇拝などが習合に成立した修験道)で、本地仏として月山に阿弥陀如来、羽黒山に観音菩薩、そして湧き出す温泉を信仰にする湯殿山に大日如来を祀っていました。

湯西川で温泉が発見された天正年間(1573年〜1592年)、羽黒山の土を移し創建したのが現在の湯殿山神社(神仏習合時代にはる湯殿権現/本地仏=胎蔵界大日如来)で、この出羽三山信仰が、平家落人伝説の残り、マタギが活躍した山深い地にも伝わっていたことがよくわかります。

出羽三山信仰(羽黒修験道)は、江戸時代に羽黒山=現在の幸せを祈る山(現在/観音菩薩)、月山=死後の安楽と往生を祈る山(過去/阿弥陀如来)、湯殿山=生まれかわりを祈る山(未来/大日如来)と見立てられ、庶民の間で「生まれかわりの旅」として隆盛。

湯西川でも湯殿山講が組織され、出羽三山への講中代参(五月節句に籤引きで決められた講の代表者)の参詣が行なわれていました。

湯西川から会津西街道(下野街道)を利用して会津城下に至り、そこから米沢街道で上山城下(山形県上山市)、さらに羽州街道で山形城下(山形県山形市)へ。
山形城下から六十里越街道で出羽三山に至ったので、往復で10日以上も要したのです。

湯殿山神社祭礼(湯西川温泉)|日光市|2024
開催日時 2024年8月15日(木)8:30〜
所在地 栃木県日光市湯西川
場所 湯殿山神社
関連HP 日光市公式ホームページ
電車・バスで 野岩鉄道湯西川温泉駅から東武バス湯西川温泉行きで35分、終点下車、すぐ
ドライブで 日光宇都宮道路今市ICから約42km
問い合わせ 日光市観光協会 TEL:0288-22-1525
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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