2024年8月4日(日)、栃木県栃木市の巴波川(うずまがわ)で夏の一夜を幻想的に彩る『百八灯流し』(ひゃくはっとうながし)が開催。栃木市の無形民俗文化財に指定された『百八灯流し』は日光修験行事「船禅頂」(ふなぜんじょう) になぞらえ、明治初頭に御大院の星覚全という修験者が始めたもの。
巴波川の川舟に108本のロウソクが灯る
もともとは巴波川の舟運の安全祈願と百八の煩悩を水に流すための仏教行事。
巴波川の舟運で、栃木は商都としての発展をみせ、川の両岸に舟積問屋や豪商が軒を並べました。
そんな巴波川の舟運の隆盛を背景に、舟運の安全祈願を込めて明治初年に『百八灯流し』が始まったています。
前身となる「船禅頂」は、日光修験で、毎年8月4日に中禅寺湖岸の霊場を船で巡拝する古儀。
『百八灯流し』では、白装束姿の船頭が漕ぐ御神船が巴波川に浮かび、舟の端に108本のロウソクが灯されます。
揺れる108本のロウソクの炎、法螺貝(ほらがい)と雅楽の音が作りだす情景はとても幻想的。
仏教行事のため百八の煩悩を水に流すという謂われを有し、108本のロウソクは安産のお守りになるといわれています。
2024年7月1日(月)〜9月30日(月)には『第11回うずま川行灯まつり』も開催され、開運橋から幸来橋を経てうずま公園まで、蔵や切り絵の作品を貼り付けた100個を超える行灯が設置されています(点灯時間19:00~22:00)。
巴波川の舟運と栃木の繁栄
巴波川の舟運は、元和3年(1617年)、徳川家康の霊柩を久能山東照宮から日光山(輪王寺)に改葬する際、御用荷物などを栃木河岸(とちぎがし)に陸揚げしたことに始まり、江戸時代から明治時代にかけて江戸、関東、さらには南東北を結ぶ物流の拠点となっていました。
都賀船(つがぶね=米50俵積みの底の浅い船)で部屋・新波河岸(へや・にっぱかし/現・藤岡町)まで下り、そこで大型の高瀬船(米200俵~300俵積み)に積み替えて、思川、渡良瀬川を経て利根川を下り、船堀川・小名木川を通って江戸・隅田川沿いの河岸に向かいました。
百八灯流し|栃木市|2024 | |
開催日時 | 2024年8月4日(日) |
所在地 | 栃木県栃木市湊町 |
場所 | 巴波川幸来橋周辺 |
関連HP | 栃木市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR両毛線栃木駅・東武日光線栃木駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東北自動車道栃木ICから約4km |
駐車場 | 蔵の街第1駐車場(30台/有料) |
問い合わせ | 栃木市観光協会 TEL:0282-25-2356 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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