JRの運賃計算で、「大都市近郊区間内のみを普通乗車券で利用する場合は、実際の乗車経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することが可能」という特例があり、一筆書きで移動する場合に限れば、「東京近郊区間」なら理論上は150円で1000kmを旅することができます。
特例を応用して子供連れで隣の駅まで遠回りの旅を!
鉄道ファンには知られた特例ですが、「東京近郊区間」の通勤電車や中距離電車を使って実際に1日で1000kmも移動することはできません。
始発から終電まででも500kmが精一杯。
きっぷの有効期限は1日ですが「入場後に有効期間を経過した当該使用乗車券は、途中下車をしないでそのまま旅行を継続する場合に限って、その券面に表示された着駅までは、第147条の規定にかかわらず、これを使用することができる」(旅客営業規則第155条)ということから、大晦日の終夜運転に限って、12月31日に購入したきっぷは、1月1日まで使えるようになっています。
この大晦日〜元旦の終夜運転を利用し、「継続乗車」の特例を活用する兵(つわもの)は、毎年、150円で1000km旅に挑戦しています。
逆にいえば1年で1回だけのチャンスということに。
たとえば東京駅〜神田駅なら営業キロは1.3kmで、当然、150円きっぷでOK。
これを一筆書きで、
東京~市川塩浜~南船橋~蘇我~成東~成田~佐倉~千葉~西船橋~錦糸町~秋葉原~日暮里~田端~池袋~新宿~西国分寺~武蔵浦和~赤羽~南浦和~新松戸~我孫子~小山~倉賀野~大宮~高麗川~拝島~立川~八王子~東神奈川~新子安~鶴見~尻手~武蔵小杉~品川~代々木~御茶ノ水~神田という経路でたどれば、1016.0kmになり、それでも「最短経路で計算」の特例が該当し、150円きっぷでOKということに。
東京近郊区間最長大回りは、馬橋駅~北小金駅で、なんと1035.4kmもあります。
経路は、馬橋~日暮里~田端~池袋~新宿~代々木~御茶ノ水~神田~秋葉原~錦糸町~東京~市川塩浜~南船橋~蘇我~成東~成田~佐倉~千葉~西船橋~新松戸~南浦和~赤羽~武蔵浦和~西国分寺~立川~府中本町~武蔵小杉~品川~川崎~尻手~鶴見~新子安~東神奈川~八王子~拝島~高麗川~大宮~倉賀野~小山~我孫子~北小金といった具合です。
実際に、大晦日にチャレンジする人は少ないでしょうが、子どもと一緒に鉄道旅行をする場合に、山手線の東京駅から神田駅に向かう場合に、本来の内回りの一駅ではなく、外回りを使っても運賃は同じということに。
大宮の人がさいたま新都心に向かう場合に、大宮〜(埼京線)〜武蔵浦和〜(武蔵野線)〜西国分寺〜(中央本線)〜新宿〜(埼京線)〜赤羽〜(京浜東北線)〜さいたま新都心と遠回りしても、運賃は同じです。
改札を出られないことがネックですが、大宮駅、新宿駅などのターミナル駅では改札内で売店やそば店なども営業するので、食事などには困ることはありません。
大都市近郊区間が定められるのは、東京近郊区間のほかにも、大阪近郊区間、福岡近郊区間、新潟近郊区間、仙台近郊区間があり、大阪でも新今宮〜(大阪環状線西九条方面)〜大阪〜(JR京都線)〜京都〜(湖西線)〜近江塩津〜(北陸本線・琵琶湖線)〜米原〜(東海道本線)〜草津〜(草津線)〜柘植〜(関西本線)〜加茂〜(大和路線)〜天王寺などという一筆書きの旅を楽しむことができます。
JR「東京近郊区間」なら、150円で1000kmを旅できる! | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag